中学受験にかかわらず志望校選択に必要な参考データに偏差値があります。
一般的に偏差値を基準に志望校を考えるご家庭も少なくありません。
今回は、「偏差値」について中学受験が初めての保護者に理解してもらいたい偏差値の正体と活用方法を説明します。
この記事を読んで偏差値を上手に活用してください。
【中学受験の偏差値の正体と活用方法の基本!】
この記事を理解するためには、偏差値の正体を知る必要があります。
偏差値を簡単に説明すると、受験したテストに対する自分の位置を示す数値のことです。
あくまでも単純に考えた場合ですが、平均点を取れば「偏差値50」です。
平均点を基準に高得点であれば偏差値も高くなりますが、低い点数だと低くなります。
ここでは、中学受験の偏差値の仕組みと活用方法を説明します。
中学受験の偏差値を理解して最大限に活用できるようにしていきましょう。
偏差値50は平均?中学受験初心者の保護者が勘違いする偏差値の正体!
進学塾主催の模試を受けたお子さんが偏差値45という結果でした。
中学受験の偏差値の仕組みを知らない保護者であれば、すぐに我が子を平均以下と考えてしまいます。
この時点でお子さんの中学受験をあきらめてしまったらとても残念なことです。
お子さんのことを考えると保護者として少々勉強不足なのではと思ってしまいます。
進学塾が主催する模試は、ほとんどの塾生が受験をしています。
他の進学塾に通う受験生も少なくありません。
模試の受験生の中には最難関中学校を目指すお子さんもいると思います。
また全体的に受験対策をしているお子さんばかりです。
お子さんの偏差値は「45」となっていますが、
あくまでもこの模試を受けた受験生の中で平均点を少し下回っているという見方をしなくてはなりません。
難関中学校を受験するお子さんのいる初めての模試で偏差値45は、むしろ高い数値としてとらえるべきです。
公立小学校の6年生全員でおこなう模試と進学塾が主催する中学受験生を対象とした模試では、
同じ偏差値50でも全く異なる評価になります。
お子さんの模試の結果で偏差値を見たときに対象となるテストのレベルを考えて評価の目安にすると良いと思います。
中学受験と高校受験の偏差値は全く評価が異なる??
これまでの説明で中学受験は、大学受験や高校受験の偏差値とは考え方が少々異なることが理解できたと思います。
偏差値は母対数と受験生のレベルで大きく変わります。
あくまでも一般的な見解ですが、中学受験と高校受験の偏差値は「10」は違うと言われています。
中学受験は、全ての小学6年生が対象ではないことが理由になります。
私立中学中堅校の中には、偏差値が50未満の中学校が数多くあります。
同じ私立中学校の附属高校の偏差値をみると10以上高くなっていることも少なくありません。
従って、中学受験と高校受験の偏差値は別の数値として考えるようにしなければなりません。
特に中学受験の経験がない保護者は注意が必要になります。
偏差値を志望校の選択に使うのは目安程度にしよう!
大学受験や高校受験は、模試の偏差値で志望校を決めることもありますが、
中学受験は原則的に第一希望を変えません。
偏差値は併願校を決めるときの目安程度にするのが基本です。
中学受験は、過去問題の研究や学校説明会などから出題傾向がわかります。
特に一部の難関校を除けば対策次第で偏差値以上の結果が望めます。
併願校を決めるときも偏差値は目安程度で、基本は第一志望校に似ている校風やお子さんの性格や部活動などを考慮して選択することをオススメします。
中学受験の模試は、志望校の選択よりもテストのレベルに対してどこまで理解をしているかを試す場所だとわりきるのも良いと思います。
模試で間違えて本番の糧にすれば問題はありません。
【中学受験模試の偏差値と受験校対策のポイント!】
公立高校入試用の模試や大学受験(センター試験)模試などは、本番に近いスタイルと問題が出題されます。
中学受験は、学校によって個性的な出題傾向があるので模試の結果よりも、
各学校の出題傾向をしっかり対策することが重要になります。
ここでは、中学校の模試と中学受験のポイントを説明していきます。偏差値の活用方法をしっかりと理解しましょう。
偏差値が届かないから第一志望校を変えるのはNGです!
何度も説明していますが、中学受験で第一志望校を変えるのはNGです。
目標を失うと同時に受験に対するモチベーションも一気に下がってしまいます。
偏差値50未満のお子さんが偏差値70以上の中学校を受けてもほぼ不合格に終わると思います。
それでもチャレンジを続けることが確実に将来につながるはずです。
仮に第一志望が残念な結果に終わっても満足のできる併願校であれば、お子さんは胸をはって進学ができるはずです。
模試によって異なる偏差値?どこの偏差値を信用して良いのか?
中学受験用の模試には首都圏三大模試をはじめ各地で色々なテストや模試があります。
お子さんの志望校決定の目安や現在の学力を知るにはどの模試を受ければ良いのでしょうか?
ここでは、簡単ですが首都圏三大模試の四谷大塚「合不合判定テスト」・日能研「合格判定テスト」・首都圏模試センター「統一合判」を例にしていきます。
日能研の模試を基準に考えると偏差値50未満のお子さんは、首都圏模試センターも模試を中心に日能研の模試も活用しましょう。
志望校にもよりますが、中堅校であれば首都圏模試の偏差値を参考にすれば問題ないと思います。
仮に第一志望校が難関校の場合は、日能研模試の偏差値も参考にする必要があります。
日能研の模試で偏差値が60を越えるお子さんは、四谷大塚と日能研の模試を活用しましょう。
双方の偏差値を見ながらその年の受験生の動向なども確認できます。
模試名 | 参考レベル | |
四谷大塚 | 合不合判定テスト | 超難関校向き |
日能研 | 合格判定テスト | 中堅校から難関校向き |
首都圏模試センター | 統一合判 | 中堅校向き |
お子さんの模試の結果を見て適切な模試を選ぶことも親御さんの役割になります。
中学受験は対策方法次第で結果が大きく変わるので慎重な対応をしましょう。
中学受験本番に向けて!偏差値上下5は中学受験なら当然の結果!
大学受験や高校受験は、ある程度偏差値が自分の実力通りの結果になることが多くなります。
受験生の年齢の上昇に応じて自分自身の実力を発揮できる傾向があります。
中学受験は、本来の力の70%が出せれば充分だと言われています。
中には当日に体調を崩すお子さんも少なくないので偏差値はある程度逆転がありえます。
ただし全てのお子さんがプラスになるとは決まっていません。
自分のお子さんがマイナスになってしまうことも想定しておく必要があります。
従って、第一志望校は偏差値を度外視していても問題ありませんが、
併願校に関しては全ての受験校をチャレンジにするのではなく、安全校を探すのもひとつの方法です。
どちらにしても、中学受験は模試の成績よりも受験校を良く知ることが最も大切です。
模試の偏差値は。自分の現在地を理解するのに最適だと思います。
【まとめ】
今回は、中学受験で使用される偏差値の正体と活用方法を説明しました。大学受験や高校受験とは大きく異なるのでわけて考えるようにしてください。
また、志望校を決定するときや併願校を決めるときにも偏差値は活躍するアイテムに違いはありませんが、頼りすぎるのはあまりオススメできません。
お子さんが模試で多少悪い偏差値になっても、一喜一憂しないで冷静に「ふりかえり」と「対策方法」をおこなうようにすることをオススメします。