中学校入学後の学習面でもっとも不安になるのは、数学ではないでしょうか?これまでの算数とは異なる難しさのある数学は、苦手意識を持つと面倒な科目です。
今回は、中学校入学後に「数学」でつまずかない為の苦手科目勉強法の算数編を説明していきます。
この記事を読んで、小学生のうちに算数の苦手意識をなくしてください。
【中学入学後につまずかないために算数でやるべきこと!】
小学校で習う「算数」は四則演算や面積・体積などの答えを正確に求める方法を学ぶのが目的で、普段の生活に欠かせない計算能力を身につけることにつながります。
中学校で習う「数学」は、「数」について学ぶことが目的です。
答えを出すまでの計算を理論的に理解することが必要になる科目になります。
算数と数学は全く違うの?
算数と数学は本質を考えると全く違うものですが、学習方法という意味では算数の延長線上に数学があると考えて問題はありません。
算数は計算をして正確な答えを出すのが基本的な目的になるので、多くの演習問題を解いていくことが重要になります。また、計算内容を確認するという基本的な流れも身につける時期です。
数学は公式を利用して解く問題が多くなりますが、公式の理論は小学校で学ぶ単元の応用になっているものも少なくありません。だからといって公式を暗記するのは、将来数学が苦手になる危険性があります。
どちらにしても数学は小学校で学ぶ算数のさまざまな「計算」ができることを前提に授業がすすめられていきます。数学が苦手になるお子さんの多くは、算数を完全に理解できていないことも少なくありません。
計算問題を徹底的に復習しよう!
計算問題を間違えるお子さんは、単純に計算を間違えるお子さんと計算方法を理解できていないお子さんのどちらかになるのがほとんどだと思います。どちらも算数が苦手になることは間違いありませんが、解決方法も全くちがうので原因を発見するのが大切になります。
単純に計算問題を間違えているお子さんは、「見直しの習慣化」ができていないケースが考えられます。この場合の解決方法は、演習問題をたくさん解くことと毎回見直す習慣をつけることです。
見直す習慣がついているのに計算を間違えるお子さんは、残念ながら計算方法そのものを理解していない可能性があります。この場合は、どこからわからなくなっているのかを探すことが最優先になります。
小学校の1年生~6年生の間のどこかで理解できなくなっている部分があるはずです。お子さんの学年にもよりますが、一緒に少しずつ確認することをオススメします。
文章題は理論的に覚える習慣をつけよう!
算数の文章題は、小学校で習う問題のレベルと中学受験用の文章題のレベルに差がありすぎるのが現状です。中学受験で偏差値50程度だと甘くみているお子さんや親御さんは大きな間違いをしています。
中学受験で偏差値50の中学校で出題される算数の文章題は小学校で習うレベルで全て解けるわけではありません。数字で判断をしてはいけませんが、おそらく偏差値40以下でようやく対応できるレベルと考えても不思議ではありません。
学んでいる問題のレベルに差がありすぎるのも困りものですが、根本的に数学を詰め込むようなスタイルになっているケースもあるような気がしています。中学受験で中堅校に入学した後に数学が苦手になるお子さんは、公式暗記が中心になっているのかもしれません。
私立中学中堅校の算数であれば、公式を暗記すると解けてしまう問題も多いのが本音です。時間はかかっても理論的に解けるようになると算数の問題を数学的に解いたことになります。
どちらも解ければ良いと思うかもしれませんが、中学・高校と進むにつれて理論的に理解していることが重要だとわかったときには既に遅いということも考えられます。算数の文章題は、かならず理論的に解く習慣化をつけることをオススメします。
【小学校の算数!オススメの問題集】
算数の問題集を選ぶポイントは、何を目的にしているのかによって全く異なってしまいます。単純にランキングサイトなどを使って調べると算数の苦手なお子さんに難易度の高い中学受験用の問題集を購入してしまうこともあります。
中学受験を目的にした算数の問題集なら「日能研(みくに出版)」「四谷大塚」などの大手進学塾の問題集や参考書をオススメしますが、今回のように中学校で算数・数学を苦手にならないようにする目的であれば全く違う内容になります。
ここでは、何種類かの算数の問題集を紹介しますがお子さんの学力や性格によって向き不向きがあります。
市販の問題集を選ぶときは、できるだけ解説が丁寧なものを選ぶことをオススメします。
教科書ワーク 算数
出版社:文理
対象:全学年対応
特徴:
通っている小学校の教科書に沿った学習内容ですすめるのが特徴です。学校でおこなっている授業を基準に理解度を考える必要があるので、教科書ワークが理解できることは重要なポイントになります。
教科書ぴったりトレーニング 算数
出版社:啓林館
対象:全学年
特徴:
基本的な内容や水準は教科書ワークと同じように教科書を基準にしている問題集です。
教科書ワークとどちらを選ぶかは、悩むところですが最終的に好みの問題になります。
陰山メソッド 徹底反復 百ます計算
出版社:小学館
対象:全学年
特徴:
著者の陰山英男氏の「陰山メソッド」で人気になったシリーズです。
この方法が良いかどうかは別にして、計算をたくさん解くことは計算問題の苦手克服法のひとつになります。
算数ラボ 考える力のトレーニング
出版社:好学出版
対象:
10級・・・小学1年生・小学2年生
9級・・・小学3年生
8級・・・小学4年生
7級・・・小学5年生
6級・・・小学6年生
特徴:
考える力を伸ばすことに特化した問題集です。新しくなった大学受験向きの考える力を3つの観点から伸ばすことを目標にしているので、思考力を使う数学にも向いています。
天才ドリル 立体図形が得意になる点描写
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン
対象:全学年
特徴:
中学受験をするお子さんは、立体図形の問題を多く解いています。算数が嫌いになるお子さんの中には、図形問題がイメージできないことが原因の場合もあるので、この問題集で楽しみながら立体感覚を養っていけます。
天才ドリル 平面図形が得意になる点描写
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン
対象:全学年
特徴:
立体図形同様に算数が苦手になる原因に多いのが平面図形に関する問題です。角度や面積など確実に理解しておきたい分野なので、感覚的に理解できるようになるための1冊になります。
【中学校入学前にやっておきたい問題集3選!】
算数が苦手というわけではないが、中学入学前に小学校で習う内容の総復習をしておくことは重要です。必須というわけではありませんが、簡単に紹介しておきます。
中学入学準備「小学の総復習全科英語つき」
出版社:学研プラス
対象:小学6年生
特徴:
中学校の入学前に総復習の意味で取り組むにはオススメできる問題集です。学研らしい小学生が計画的に学びやすいまとめ方は、中学校入学後の小学校の復習にも利用できます。
Z会小学生わくわくワーク6年生 国語・算数・理科・社会・英語 2020・2021年度用総復習&中学さきどり編
出版社:Z会
対象:小学6年生
特徴:
Z会の問題集は、小学校の総復習だけでなく中学で学ぶ内容を先取りしているのが特徴です。さらに算数は無料で「授業動画」を視聴できるので算数が苦手なお子さんにもお勧めできます。
小学6年全科の復習テスト
出版社:増進堂・受験研究社
対象:小学6年生
特徴:
シリーズで各学年用の総復習が発売されているので、必要に応じて購入をしても良いと思います。基本的な内容を重視しているのが特徴です。
【小学校の算数!お子さんのタイプ別オススメのネット塾を紹介!】
小学校の算数は、全ての親御さんが教えられる科目ではありません。だからと言って塾にも通わせるのは難しいときに頼りになるのが、ネット塾です。
ここでは、お子さんのタイプ別にオススメするネット塾を紹介していきます。
中学受験レベルから小学校で習う基本まで、お子さんに適したネット塾選びの参考にしてください。
※難易度は難しい順に「難関」「応用」「普通」「基本」「基礎」となります。
Z会
特徴:
中学受験対策にも対応できる通信教材として実績のあるZ会は、全体的に難しい印象があります。確かに基本から学ぶことも可能ですが、あくまでも上位クラスを意識するお子さん向けの内容です。
科目:
国語・算数・英語・理科・社会・プログラミング
Z会の算数:
算数に特化しているわけではありませんが、中学受験を意識したコースもあるので全体的にレベルが高いです。問題の質も良問が多いことで知られています。
難易度:
普通~難関
向いているお子さん:
Z会い向いているお子さんは、自ら勉強に取り組むことができる「学習習慣」のあるお子さんが基本になります。また、中学受験はおこなわない予定でも中学進学後もクラスで成績上位になることを目標にしているレベルのお子さんが向いています。
難関向けという考え方にはなっていますが、学校の授業レベルが充分に理解できているお子さんであれば、基本から実力をつけていくことも可能な指導方法になっています。一番大事なことは、お子さんに学習意欲があることです。
進研ゼミ
特徴:
専用タブレットを使用する「チャレンジタッチコース」と実績のある紙媒体と使った講座の2通りのコースがあります。
タブレットコースと通常コースにメリットとデメリットが目立ちましたが、2022年4月以降のタブレットコースは使い勝手や学習面のメリットが大きくなると言われています。
科目:
国語・算数・英語・理科・社会・プログラミング
進研ゼミの算数:
難易度:
基本~応用
向いているお子さん:
幅広いお子さんに対応していますが、学校の成績で考えると中の上くらいのお子さんにもっとも向いていると思います。中学受験対策とはいかないまでも、学校の定期テストで満点を狙える学力を目指すならオススメです。
中学受験対策も可能ですが、難関校よりも私立中堅校や公立中高一貫校を目指すお子さん向きです。もともと難関校の場合は、進学塾への通塾が理想なのでネット塾にそこまで期待をするのは簡単ではありません。
スマイルゼミ
特徴:
ネット塾の評価がわかれるスマイルゼミですが、タブレット使用のネット塾ではオススメできるネット塾のひとつです。コースも標準クラスと発展クラスがあるので、お子さんの学力にあわせて選択できます。
科目:
国語・算数・英語・理科・社会・プログラミング
スマイルゼミの算数:
他のネット塾も算数には定評がありますが、
難易度:
基本~応用
向いているお子さん:
学力的には進研ゼミ同様の感じです。クラスで中くらいのお子さんを基準に考えられている良問が目立ちます。中でもネット塾でも必須になりつつあるタブレットの性能は、得に秀でているので今後にも期待ができます。
タブレット講座ですが「見る」よりも「書く」ことに重点をおいているので、学習スタイルが書くことで覚えるタイプのお子さんに向いているネット塾になります。
スタディサプリ
特徴:
ネット塾のなかでもコスパの良さはトップレベルだと言われています。受講スタイルが自分で学ぶタイプではなく、動画視聴タイプのネット塾なので通塾のイメージに近いと思います。
一流の講師による授業は以前から定評がありますし、自分のレベルにあった講座を選択できるとことも魅力のひとつです。
科目:
国語・算数・英語・理科・社会
スタディサプリの算数:
算数はお子さんが自ら学ぶことも重要ですが、要点を講師に教えてもらえる受講スタイルが必要なケースも多くなります。基本的なことから応用レベルまで受講できるところも魅力的です。
難易度:
基本~応用
向いているお子さん:
スタディサプリが向いているお子さんは、算数の成績が小学校のクラスで平均以上のお子さんです。スタディサプリはもともと視聴型なので、教わるという意味で幅広い使い方ができます。
通塾をしているお子さんであれば、苦手克服や復習に利用できます。家庭学習の場合は、市販の問題集を解く前に予習として利用すれば算数の理解向上に役立つはずです。
e点ネット塾
特徴:
e点ネット塾
他のネット塾と比較すると知名度で劣ることは確かですが、コツコツと成長をする運営方針同様に学習の習慣化や復習を中心に知識の定着を期待することができます。
科目:
国語・算数
e点ネットの算数:
e点ネット塾
難易度:
基礎~普通
向いているお子さん:
e点ネット塾
学校で習う算数の授業についていくのが難しいお子さんは、学習方法を変えることで対応できることもあります。自ら学ぶ姿勢が身につくと結果も変わるはずです。
すらら
特徴:
「すらら」は他のネット塾と比較することが難しい特殊なネット塾になります。公式サイトでも説明があるように「不登校」「発達障がい」にも対応しているのが特徴のひとつです。
学年という概念をなくした「無学年制」を導入しているので、個々の学習理解度によって授業をすすめることができます。あくまでも基礎学力を求める塾なので、受験向きではありません。
科目:
国語・算数・英語・理科・社会
すららの算数:
「すらら」の算数は基本レベルといっても理論的な内容になっています。不登校や発達障がいのお子さん向けとなっていますが、算数がとにかく苦手だというお子さんにもオススメです。
難易度:
基礎~基本
向いているお子さん:
発達障がいのお子さんは、科目による偏りや理解度のはやさに違いがでやすいので、無学年制の「すらら」はオススメできます。不登校のお子さんも学校の出席扱いを認めてもらえるケースもあるので、確認することをオススメします。
【まとめ】
今回は中学入学後につまずかない苦手科目の勉強方法(算数編)ということで説明をしました。紹介している問題集も算数が苦手なお子さんにも良いですし、数学へスムーズに移行できる知識の定着を期待できるものです。
ネット塾は進学塾のような受験対策向きではありませんが、苦手科目の克服に向いているネット塾が多いのが特徴です。問題集やネット塾は、お子さんの算数の理解度や学校の成績に注意をしながら選ぶことをオススメします。
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