大学受験には、いくつかの入試方法が存在します。入試方法によって個々の受験生にとって有利になることもありますし、不利になることも考えられます。
今回は、現在高校1年生や2年生の方も理解しておきたい大学入試の基本的な知識や今後の入試制度に関する説明をしていきます。この記事を読んで大学受験の基本を理解してください。
【大学入試の入試方法~基本編~】
現在高校3年生や浪人生の方にとっては、知っていて当然の内容になります。基本的に高校1年生や2年生に向けた大学受験の基本的な説明です。
ここでは、大学受験の入試方法を大きく分類して説明をしていきます。今後、名称の変更や制度の変更も考えられるので常に最新の情報を確認することをオススメします。
大学入試の基本!一般入試
大学受験の中でもっとも一般的な入試方法が「一般入試」に分類される受験方法です。
大学進学を考えている受験生の多くが経験することなので、基本的なことは理解しておきましょう。
一般的に言われている「一般入試」は、私立大学の入試方法です。
理系学部は「英語」・「理科」・「数学」で、文系学部は「英語」・「国語」・「社会」が受験科目になることが多いようです。
主要試験科目 | |
理系学部 | 「英語」・「理科」・「数学」 |
文系学部 | 「英語」・「国語」・「社会」 |
受験のスタイルは、「筆記試験」「マークシート方式」があります。日程は1月~3月におこなわれ、複数回実施する大学が多くなっています。
国公立大学の場合は、大学センター試験を受けることになります。私立大学の入試方法との違いは、後ほど説明したいと思います。
今後は変更予定の推薦入試
一般入試が、1月以降におこなわれることが多いのに対し推薦入試は、一般入試より前におこなうことが基本になります。
一般入試が、学力試験で合否を判定するのに対して推薦入試は、調査書や面接・小論文などで合否判定をおこないます。高校時代の成績と人柄が重視されると考えてください。
★推薦入試には、
・「指定校推薦」があります。
どちらも高校の推薦を受けることが受験に必須の条件になります。
公募推薦は、
指定校推薦は、
尚、2021年の入試から推薦入試の名称が、「学校推薦型入試」となります。
合否判定の基本は変わりませんが、調査書の内容がこれまでより詳細なものになるので注意が必要です。
学校推薦型入試の詳細は、後ほど詳しく説明します。
どちらにしても推薦入試の基本は高校時代の成績と学校生活で功績を残していることが合格のポイントになります。
推薦入試(2021年から「学校推薦型入試」に変更) | ||
名称 | 公募推薦 | 指定校推薦 |
条件 | 大学指定条件あり | 大学の指定推薦高校 |
難易度 | 高倍率 | 学内指定獲得でほぼ合格 |
今後に注目が集まるAO入試
高校1年生や2年生の中には、AO入試と推薦入試を混同させてしまっている人もいるようです。確かに選抜方法や受験資格が公募推薦と似ている部分もあるので間違えてしまうのも無理はありません。
AO入試は、
推薦入試との最大の違いは、推薦状が必要ないことです。
従って志望大学に入学したいと強い意志のある受験生は、受験資格があることになります。
調査書と面接による合否判定が一般的ですが、学科を加えている大学も増加しているので相応の学力が必要になります。
尚、AO入試も推薦入試と同様に2021年度から名称が「総合型選抜」になります。
これまでも倍率が高いことで知られているAO入試ですが、難化することが予想されます。
AO入試(2021年度から名称が「総合型選抜」) | 推薦入試 | |
特徴 | 推薦状が必要ない | 推薦状が必要 |
【大学受験の基本的な疑問を簡単に説明!】
大学受験の入試方法を大きな分類で3種類にわけて説明しました。それぞれの詳細はまた別途説明する機会があれば、詳しく説明します。
ここでは、大学入試の基本と疑問点の答えを説明したいと思います。ここも大学入試の基本的な部分なので高校1年生や中学生向けになります。
私立大学の入試と国公立大学の入試の違いは?
私立大学と国公立大学の入試で最も異なる部分は、大学センター試験の扱いになります。国公立大学は、大学センター試験を必ず受ける必要があります。
大学センター試験 | |
私立大学 | 選択型 |
国公立大学 | 必須 |
大学センター試験を1次試験の結果に応じて、各大学で別途実施する2次試験を受験することになります。
各大学1次試験と2次試験の合計点で合否を決定しますが、センター試験にある程度ボーダーラインがあるので自己採点の結果で志望大学を変えることも可能です。
言い方を変えると難関国公立大学は、センター試験の結果次第で不合格が決定になることもあるので重要な試験になります。
一方、私立大学のセンター試験利用は、1次試験という扱いではないので全く違う考え方で受験することになります。受験する科目は大学や学部によってことなるので注意が必要です。
国公立大学のセンター試験は、文系理系ともに5教科7科目を採用している大学が多いので私立大学よりも受験対策に時間を要することになります。
私立大学の一般入試は、国公立大学と違い複数日程の大学も多いのでチャンスは1回だけとは限りません。
考え方は人それぞれですが、同じ偏差値であれば国公立大学の方が難関だと考えて問題ありません。また、国公立を志望する場合は、できるだけ早く対策を始めることをオススメします。
私立大学の大学センター試験利用と一般入試の違いは?
先ほど私立大学の大学センター試験利用と一般入試という言葉が出てきましたが、この二つの入試の違いは受験方法や科目だけではありません。
受験費用や出題内容が異なるのはもちろんですが、合格のボーダーラインが異なると考えて間違いありません。
偏差値60の受験生が、一般入試で偏差値60の大学を受験するのであれば、センター試験はワンランク下げた大学を受験するのが一般的な考え方になります。
私立大学の大学センター試験利用は、1回の試験で複数校の受験が可能になるので本命校から併願校まで出願する受験生も少なくありません。
偏差値60の大学には、偏差値60の受験生が本命校として受験すると同時に偏差値65以上の大学を受験する人の併願校にもなっています。
特に名実ともに人気のある大学は、志願者数も多いのでセンター試験で合格を狙うのであれば、ワンランク上の大学に合格できる実力が必要になります。
大学センター試験と一般入試の対策方法の違いは?
大学センター試験と一般入試の受験対策方法の違いに関して疑問に考える人もいると思います。科目によって異なりますが、実際に対策方法の違いはあります。
特に数学などは注意が必要です。マークシート方式のテストは、解法が教科書に掲載されているような公式を利用することが前提となります。
数学の得意な受験生は、理論的に解いてしまうこともあります。教科書通りの解き方を覚えておかないとケアレスミスにつながることも考えられます。
また、他の科目においてもセンター試験には独特の解法が存在することもあります。過去問題や参考書などを利用して対策を考える必要があります。
ただし、センター試験用の対策が必要といっても基本的な対策方法は一般入試と同じなので偏った対応にならないようにしましょう。
【2020年以降のAO入試と推薦入試は大きく変わる!?】
ここまで現状の大学入試でおこなわれている入試方法の基本を説明してきました。大きく分類して「一般入試」「推薦入試」「AO入試」の違いが理解できたと思います。
ここでは、2020年度以降変わることが決定している「推薦入試」と「AO入試」の変更点を説明していきます。現状で把握できる範囲の掲載となります。
AO入試や推薦入試の選考方法の基準と分類
AO入試と推薦入試が今後どのように変わるのかを簡単に掲載しておきます。
現在わかっている「名称」「実施時期」「選抜方法」などを以下で説明していきます。
AO入試の変更点
名称:総合型選抜
出願時期:9月~
合格発表:11月~3月
推薦入試の変更点
名称:学校推薦型選抜
出願時期:11月
合格発表:12月~
推薦入試(学校推薦型選抜)の合格発表時期は、12月以降となっていますが一般入試を実施する日程より10日以上前にする必要があるとなっています。
選考方法
これまでと同じように調査書の提出が定められています。これまでの調査書は、評定値(成績)が最重要項目となっていましたが、更に詳細な内容の調査書に仕様が変わります。
部活動や生徒会をはじめボランティア活動なども含まれます。また、資格や検定はもちろん表彰に関しても提出項目になりました。
この他に大学や学部によって小論文や実技など様々な試験項目が採用されます。また、「大学入学共通テスト」(現在の大学センター試験)の利用も検討されています。
現状は、小論文や実技などの方法か大学入学共通テストのどちらかを大学側が選択することになると考えられます。
新しい推薦入試とAO入試の対策ポイントとは?
新しくなる学校推薦型選抜と総合型選抜で必要な書類に関しては、ここまでに紹介したもの以外に総合型選択は、志望理由書や学修計画書などの提出が必須になります。
学校推薦型選抜は、学校からの推薦書が必要になります。
これは、学校に発効してもらう書類なので、個別に確認することをオススメします。
AO入試(2021年度から名称が「総合型選抜」 | 「学校推薦型選抜」 | |
提出書類 | 志望理由書・学修計画書 | 学校の推薦書 |
基本的な対策方法は、これまでと変わらないと言いたい所ですが高校生活での活動していることが重要視されるので積極的に部活動や課外活動をおこなう必要があります。
もちろん、学力試験や小論文などの対策も必要なので、決して楽な選抜方法というわけではありません。
イメージ的に公立高校入試に採用されている内申書のイメージが強いような感じです。高校入試は学力重視に移行している傾向がありますが、大学入試は若干異なる方向性になります。
どうなる英語外部検定!現状基準になる4つのポイント!
世の中のグローバル化に対応できることを目的に「英語」に力をいれる大学入試方法も私立大学を中心に採用されています。
これまでの日本の英語教育は、文法知識や長文読解を中心におこなっているので、実戦的な英会話力が低いと言われていました。
・話す「Speaking」
・聞く「Listening」
・読む「Reading」
・書く「Writing」
これらの英語力を鍛える意味で英語検定が注目をされています。実際に採用している日本の大学も少なくありません。
ただし、英語検定の採用に関しては、国の決定がまだまだ曖昧な点が多いので常に最新の情報に耳を傾けることをオススメします。
【まとめ】
今回は、大学受験の入試方法の基本を説明しました。「一般入試」「推薦入試」「AO入試」といった大きな分類で簡単に紹介したので受験生の保護者にも読んでいただければ幸いです。
今回掲載している内容は、2019年度に発表されている内容を基に掲載しています。今後大学入試の方法は、国の方針で変更がある可能性も否定できません。
あくまでも個人的な意見ですが、政治家のみなさんは簡単に賛成と反対で様々なことを決めていますが、該当している受験生の一生にかかわる大事なことです。
特に1度おこなうと決めたことを撤廃するのは、受験生にとって精神的なダメージはかなり大きなものになります。
受験生や現在高校1年生や2年生の中には、新しくなる入試制度で大学受験に挑む人も多いと思います。親御さんの力も借りて最新の情報を入手することをオススメします。