小学校と中学校の理科の一番の違いは、専門的な分野にわかれるということです。
高校ほどではないものの小学校と比較すると用語や計算式も難しくなります。
今回は、理科で中学入学後につまずかないための学習方法の説明と事前におこなっておくオススメの問題集を紹介していきます。
理科に苦手意識のあるお子さんは、できるだけ早く対策することが大切です。
【中学入学後につまずかないために理科でやるべきこと!】
中学校に入ると慣れない学校生活の中で部活動に時間を費やすだけでなく、学習面でも英語や数学に多くの学習時間が必要になります。必然的に理科や社会は後回しになりがちですが、理科は興味がないとなかなか成績に結びつきません。
中学校で学ぶ理科の多くは暗記だけでもかなり得点できてしまうのは事実ですが、暗記に頼る学習方法だと高校で苦しむことになります。ここでは、中学入学後に理科でつまずかないために、やるべきことを説明していきます。
小学生の時に興味を持つことが重要!
理科は小学校から中学校・高校・大学と進学していくとより専門的な分野にわかれていくことになります。特に小学校から中学校に進学するときにある程度分野がハッキリしてきますので、苦手意識が強くなるのもこの時期が多いようです。
理科が苦手にならないようにするポイントは「興味を持つこと」です。問題はお子さんが「どうしたら興味を持ってくれるか?」ということだと思います。
さすがに全ての分野とはいきませんが、興味を持つためにはお子さんに「なぜ?」と思わせることが第一歩になります。「なぜ?」と疑問に思うと理由や原因を知りたくなりますので、このときに親御さんも一緒に考えてあげると興味を持つことが期待できます。
理科には物理・化学・生物・地学といった分野がありますが、多くの分野が生活に近いところに「なぜ?」がたくさんあります。その「なぜ?」から理科が好きになっていきます。
理科の用語は図とセットで覚えよう!
中学校で習う理科と小学校で習う理科の大きな違いは専門性であると説明しました。専門性が高くなるということは、基本的な用語も難しく感じることが多くなります。
教科書を何回も読んで用語を覚えるお子さんもいるようですが、理科の場合はできるだけ早い時期に図と用語をセットで覚える習慣を身につけることをオススメします。
理科は教科書の他に、図や表を中心にした資料集や図解を利用することがあります。資料集や図解を有効利用できていれば良いのですが、どうしても教科書を暗記する学習方法が中心になってしまうお子さんも少なくありません。
図と用語をセットで覚える習慣をつけるには、お子さんが興味を持った分野の図鑑や図が多く掲載されている問題集などを利用することです。小学生のときに習慣化ができていれば、中学・高校に進学しても当然の学習方法として取り入れることができます。
理科は暗記よりも理論的に考えるようにしよう!
理科は暗記よりも理論的に考えることが先々は役立ちますが、中学校の理科は暗記中心の学習でも充分に対応できるのが本音です。特に公式に関しても算数の「速さ・時間・距離(道のり)」を出す公式を応用してしまえば、解けてしまうものもあります。
具体的に使える公式は以下のようなものがあります。
・「圧力・力・面積」 圧力の計算をする公式
・「密度・質量・体積」 密度の計算をする公式
・「電圧・電流・抵抗」 オームの法則を計算する公式
・「電力・電流・電圧」 電力の計算をする公式
・「熱量・電力・時間」 熱量の計算をする公式
・「実際の水蒸気量・湿度・その気温の飽和水蒸気量」 湿度の計算をする公式
・「仕事量・加えた力・動いた距離」 仕事量の計算をする公式
・「仕事量・仕事率・時間」 仕事率の公式
上記の公式や実際の計算方法は、あえて省力します。公式を自分で調べてあてはめることで、計算方法がわかると思います。
中学理科の範囲であれば、公式の暗記と工夫でほとんど乗りきれてしまいます。後は分野によって必要な暗記ができれば問題はありません。
ただし、この方法だけで理科を好きになることはないと思いますし、高校で苦手になる危険性が高くなるかもしれません。やはり理科は「なぜ?」「どうしてこうなったのか?」といった疑問に対する実験や観察が必要になります。
【小学校の理科!オススメの問題集】
小学校で習う理科は、中学校以降で習う理科の超基本になります。最低限教科書レベルの問題を解けるようにしておかないと、中学校では苦手科目になるはずです。
ここでは、小学生にオススメの問題集を紹介していきます。中には中学生向けのものもありますが、興味を持った小学生であれば理解できる可能性も高いはずです。
教科書ワーク 理科
出版社:文理
対象:小学3年~小学6年
特徴:
教科書ワークは小学校で利用している教科書に沿った内容なので、苦手科目をつくらないようにするためにもオススメの問題集です。日頃の授業の予習復習にちょうと良い内容になっています。
付録でついている実験や観察の動画はNHKが提供しているだけに信頼できるものです。理科に興味が持てるように図鑑や他の書籍を併用することもオススメします。
教科書ぴったりトレーニング 理科
出版社:啓林館
対象:小学3年~小学6年
特徴:
教科書ぴったりトレーニングは基本的に教科書ワークと同じような主旨でつくられています。小学校で利用している教科書に沿った内容になっているので予習復習向きです。
付録にある「がんばり表」は、親御さんがお子さんの学習進行度を確認しやすい仕様になっています。教科書ワークとの違いは個人差があると思います。
なぜ?どうして?科学のお話 6年生 ※1年生~5年生向けもあり
出版社:学研プラス
対象:小学6年生
特徴:
「宇宙のでき方」や「音の聞こえる仕組み」などお子さんが興味を持ちそうな楽しい理科の世界を実感できる内容になっています。ひとつひとつの話しが短いので、気軽に読める1冊です。
同系のシリーズには小学1年生~小学5年生向けもあります。解説書や問題集ではありませんが、理科に興味を持つきっかけになる1冊です。
中1理科をひとつひとつわかりやすく
出版社:学研プラス
対象:中学1年生
特徴:
中学1年生向けですが、小学5年生や6年生でも理科に興味のあるお子さんにオススメできます。基本的に小学校の教科書レベルは理解していることが条件です。
文字と図をバランス良く配置している見やすさと中学校1年理科の基本レベルに重点をおいているので、中学入学前に始めても良い1冊です。
くわしい問題集理科 中学1年
出版社:文英堂
対象:中学1年生
特徴:
中学1年生の基本問題と定期テスト向けの問題集です。小学6年生には難しいかもしれませんが、「中1理科をひとつひとつわかりやすく」を利用するお子さんであれば先取り学習にオススメです。
理科という科目は、学年にこだわる必要はありません。興味のある分野であれば小学生でも大学生なみの知識を持っているお子さんもいます。
【中学校入学前にやっておきたい問題集3選!】
中学校入学前に小学校の総復習を終わらせておけば、今苦手になっている科目や単元の発見や克服が可能になります。中学校に入学後は忙しい日々がまっているので、小学生の学習範囲は早めに終わらせておくことをオススメします。
ここでは、小学校の総復習にオススメの問題集を紹介しています。基本的に全科目対応のものを紹介しているので、お子さんとの相性を考えて使うことが理想です。
中学入学準備「小学の総復習全科英語つき」
出版社:学研プラス
対象:小学6年生
特徴:
問題の質やレベルは小学校の総復習にオススメの問題集ですが、解答が別になっていないのが不満点です。解答が一緒になっていると解説も読みにくいですし、採点も面倒になってしまいます。
Z会小学生わくわくワーク6年生 国語・算数・理科・社会・英語 2020・2021年度用総復習&中学さきどり編
出版社:Z会
対象:小学6年生
特徴:
中学受験にも強いZ会だけに小学校の平均レベルよりも難しめの問題が多いようです。得意科目は良いですが、苦手科目の復習にはオススメしません。
小学6年全科の復習テスト
出版社:増進堂・受験研究社
対象:小学6年生
特徴:
小学校の総復習にもちょうど良いレベルの問題集になります。中学入学後になってからも確認のために利用できる内容です。
【小学校の理科!お子さんのタイプ別オススメのネット塾を紹介!】
中学受験をしないお子さんも中学入学後のことを考えると、苦手科目をつくってしまうのは避けなくてはいけません。理科という科目は得意・不得意の差が出やすいのが特徴です。
ここでは、理科の学習を中心に考えたオススメのネット塾を紹介していきます。数学や英語など、他の科目と合わせて利用することをオススメします。
※難易度は難しい順に「難関」「応用」「普通」「基本」「基礎」となります。
Z会
特徴:
科目:
Z会の理科:
難易度:
向いているお子さん:
Z会は小学校の成績が上位クラスのお子さんに向いています。もちろん平均的な成績のお子さんにも対応はしていますが、相性が合うことが条件になります。
お子さんの学力に合わせて「標準コース」と「上位コース」を選択できるので、幅広い小学生に対応しているのが特徴です。
進研ゼミ
特徴:
科目:
進研ゼミの理科:
小学校で習う理科の範囲を基本から理解することが可能です。進研ゼミにある標準コースと上位コースは、科目ごとに選択できるので理科だけ別コースというスタイルにできるのは魅力のひとつです。
難易度:
向いているお子さん:
スマイルゼミ
特徴:
科目:
スマイルゼミの理科:
難易度:
向いているお子さん:
スタディサプリ
特徴:
科目:
スタディサプリの理科:
難易度:
向いているお子さん:
すらら
特徴:
科目:
すららの理科:
難易度:
向いているお子さん:
【まとめ】
今回は中学入学後に理科が苦手にならないようにする学習方法を中心に説明しました。小学校や中学校の理科は暗記中心の学習方法でも対応は可能ですが、将来を考えれば理論的に理解することが理想になります。
理科が苦手になるお子さんの特徴は、興味を持てないということです。どの分野でも良いので興味を持てば、苦手になることは少なくなります。