中学受験は、4科目型・3科目型・2科目型が一般的なスタイルですが、基本は4科目受験が多くなっています。理科や社会は、配点が少なくなっている中学校もあります。
今回は、中学受験の過去問題の取り組み方とポイント・理科編を説明していきます。
この記事を読んで、理科の過去問題を有効に利用できるようにしましょう。
【中学受験 過去問題の取り組み方の基本~理科編~】
理科は、私立中学校の場合は4科目受験の1科目として試験をおこないますが、公立中高一貫校の場合は、適性検査や総合問題に理科の内容が含まれることもあります。
ここでは、私立中学校の過去問題対策と取り組み方のポイントを説明します。
まずは私立中学校の出題傾向を理解してほしいと思います。
理科は特徴のある問題を出題する学校も多いので特徴をつかもう!
私立中学校の入試問題は、教科書にあるような基本的なことだけでなく、様々な体験や経験から得られる出題も多くなっています。
普段の生活環境の中や野外で経験できることを理科の問題に関連させて出題することもあります。受験勉強だけでなく様々な遊びや経験が受験に役立つことにつながっています。
例えば、
基本的な問題を好む学校もあれば、受験生の思考力を試す問題をつくる中学校もあるので特徴は事前につかむことをオススメします。
理科の過去問題の取り組み方!
理科の過去問題は記述式の問題に対する対応が重要になります。国語と異なり空白に文字を記入する解答用紙も少なくありません。
過去問題を解くときは必ず原寸大の解答用紙を用意するのが基本ですが、理科は特に字数制限ではない記述も多いので注意が必要になります。
解答は、必須のキーワードが正しく説明されていることや実験などの工程が理解できていることが基準になります。もちろん採点は、受験生がおこないます。
ここで注意が必要なのは、受験生の採点は甘くなる傾向があります。
誤字脱字だけでなく文法的におかしい場合も減点や不正解になる学校もあるので必ず親御さんが後から確認しましょう。
過去問題を利用して読解力のレベルを把握しよう!
理科の学習は、重要用語や実験の流れなどを知識として覚えていく受験生がほとんどだと思います。確かに基本的な学習方法としては問題ありません。
過去問題を解くと学校によって問題そのものがかなり複雑になっていることがあります。
理科の知識はもちろんですが、国語の読解力が必要な問題も少なくありません。
実験の結果を問う問題の多くは、実験結果よりも実験で「何がわかったのか」を考えさせる問題が多くなっています。
簡単に答えを出すのではなく考えることを習慣化させる必要があります。
特に考える分野は、苦手な受験生が多いので過去問題を参考に経験を積んでおくことをオススメします。
【中学受験 過去問題の取り組み方の疑問点と対応策~理科編~】
中学受験は基本的に4科目受験が主軸になっています。その中でも国語と算数の比重が多くなっているのが一般的です。だからといって理科や社会を軽視するのはオススメできません。
ここでは、理科の過去問題の取り組み方の疑問に対する答えを中心に説明していきます。開始時期や解き方のポイントを理解して有益な使い方をして下さい。
過去問題を始める時期と解く年数は?
国語や算数は夏休み以降になると過去問題に取り組む受験生も多いと思います。理科や社会は、状況次第ですが基本は10月以降で問題ありません。
国語や算数は、それまでにかけている時間数や当日の比重が大きいのでできるだけ早めに対策を開始することは当然の考え方です。
理科は、実際に知識が定着する時期を考えると10月以降か11月が良い時期になると思います。どちらにしても国語や算数の状況によって調整する必要があります。
理科の過去問題を解く年数は、
第一志望は5年併願校は3年程度
で充分だと思います。
あくまでも出題傾向や特徴を理解するのが目的になります。
理科は過去問題で得られた出題傾向や特徴を理解した上で別途対策を考える必要がある科目です。
基本的な問題集から取り組み苦手な単元はなくすようにすることをオススメします。
理科の過去問題の解き方と採点の疑問!
理科の過去問題を解くときは、複数の学校を混ぜて解くことを避けるのが無難です。
過去問題は、中学校の出題傾向や特徴を理解するのが最大の目的になります。
同じ中学校の問題を3年分解いてから別の中学校の過去問題を解くと学校それぞれの特徴が混ざらないのでオススメです。
採点をおこなって、不正解の問題に関しての対応が重要になります。
単純に正解を覚えるのではなく「なぜ間違えたのか」を考えることが最も大切なことです。
また、親御さんの質問に多いのが解答を「漢字」と「かな」のどちらで答えるのが良いのかという問題です。一般的には漢字で答えることを必須にしている問題以外は「かな」でも正解になります。
多くの中学校が、国語や社会に比べると誤字脱字に対する採点は甘くなっているようです。また、特別漢字を指定していない場合は、「かな」でも正解になります。
どちらにしても受験に関する質問や疑問は、できるだけ学校説明会や個別面談などのときに事前確認することがお子さんのためにも最善の対策になると思います。
理科の過去問題対策 苦手分野対策はどうすれば良いのか?
理科は、暗記で得点ができる分野と計算や考えることで得点が可能になる分野があります。多くの受験生が、どちらかの分野で苦手意識をもつようです。
暗記分野が苦手な受験生は、基本的な内容から反復学習をする必要があります。完全に覚えられなくても回数を重ねていくうちに覚えている量が必ず増えてきます。
計算問題が苦手な受験生は、類題を多く解いて慣れていくことがポイントになります。中学入試の理科は、問題の意味や内容が理解できれば解答につながることもあります。
暗記分野が苦手な受験生 | 計算問題が苦手な受験生 | |
対策 | 基本問題を反復学習 | 類題を多く解くことがポイント |
苦手意識の強い単元は、「知らない」状態のこともあります。
「知らない」と「わからない」は異なりますので、まずは「わからない」ところまで学習する必要があります。
「わからない」は、「知らない」よりもはるかに前進しています。基本をかためることで解ける問題も多くなるので焦らずに取り組むことをオススメします。
【まとめ】
今回は、中学受験の過去問題対策の理科編ということで説明をしました。理科は、日常生活の中や家族との外出や旅行でも知識や情報を増やすことができます。
理科が苦手な受験生は、理科の楽しさを知らないことも多いようです。過去問題に取り組む前に理科に関する遊びが体験できる場所に出かけるのもひとつの考え方です。
近年の中学入試の理科は、考えることを求められます。また、問題の複雑化により読解力も求められますので、日頃から問題やテキストを読むことをオススメします。