中学受験は、理科の配点は高くない中学校も少なくありません。そのため国語や算数に力を入れる受験生が多くなります。
今回は、中学受験生と保護者向けに理科の学習方法を説明します。
夏休みだけでなく日頃から学習することが理科のポイントになります。
【中学受験生向け!夏休みの科目別学習方法 理科編】
中学受験の多くは国語と算数が中心になると思います。結果的に理科や社会は、後回しという考え方の受験生も少なくありません。
優先順位に関しては、国語や算数を中心に考えるのが基本です。
少ない時間をどれだけ効率良く利用するかが、理科や社会の学習のポイントになります。
4つの分野をわけて考えよう!
夏休みは長いのでなんとなく学習をすすめてしまう受験生も少なくありません。夏休みは、弱点発見と克服に時間をあてられる最大で最後のチャンスです。
中学受験の理科といっても「物理」「化学」「生物」「地学」といった高校理科と同じように4つの分野にわけることができます。
各分野の暗記と暗記以外の単元を比率で考えるとおおよそ以下のようになります。
・物理 暗記 90%:10% 暗記以外
・化学 暗記 60%:40% 暗記以外
・生物 暗記 90%:10% 暗記以外
・地学 暗記 90%:10% 暗記以外
一部の難関中学校を除き、この4分野がまんべんなく出題される傾向があります。
理科は理系科目というイメージがありますが、実際はかなり暗記分野が多くなっています。
特に生物や地学だけでなく化学も半分以上は暗記です。
また、計算問題も大学受験などに比べると出題される分野や内容が絞られている傾向があります。
理科の暗記分野に取り組もう!
先ほども説明をしたとおり中学受験の理科の多くは暗記分野になります。
従って、夏休みをはじめ基本は暗記科目の学習を中心にすることをオススメします。
生物・地学・化学の暗記分野から学習をすることである程度の得点を確保できる状態を早めにつくると先々で焦ることが少なくなります。
中学受験は、学校の定期テストのように満点を目指す必要はありません。確実に合格点に近づけることが目標です。
そのためには、得点が確実になる分野から固めていくのもひとつの考え方です。
特に中堅校は、暗記分野の対応でかなり得点が期待できます。
難関私立中学校受験の理科は、計算問題がポイント!
難関私立中学校の受験問題は、計算問題が合否のポイントになることが予想できます。
特に物理分野や化学分野といった分野に絞れない総合問題も多く出題されます。
計算問題は、多くの問題を経験して解法をある程度身につけておく必要があります。同時に算数を解く発想力や考察力が求められます。
長文形式になっている問題も多いので、考える力と同時に国語の読解力を求める出題傾向が多くなっています。
今後の理科や社会は更に総合的な問題が多くなると予想できます。
【中学受験生の保護者向け 夏休みの学習のポイント 理科編】
理科が得意なお子さんと苦手なお子さんの最大の違いは「興味」です。
低学年の頃から図鑑や実体験で理科の学習をしているお子さんは好きな傾向が強くなります。
ここでは、中学受験生を持つ保護者に向けた理科の学習ポイントの説明になります。
理科が苦手なお子さん向けの対策方法も説明しています。
日頃の生活中に理科を取り入れよう!
理科の受験対策はいつからはじめるのが理想なのかと聞かれることがあります。
正解は個々の判断だと思いますが、理科は早くから学習することをオススメする教科だと思います。
理科の学習といっても問題集や教科書を使用するだけが理科の学習方法ではありません。
植物や動物は、実際に見ることもできますし星座もプラネタリウムで学習できます。
化学や物理の分野も実際に体験をすることで理解できるケースが多いのが理科のポイントです。
特に理科が苦手なお子さんは実体験を中心に考えることをオススメします。
過去問題の取り組み方を検討している保護者の対応策!~理科編~
夏休みを過ぎるといよいよ過去問題の取り組みを考える保護者も少なくありません。
国語や算数を主体に考えるとどうしても後回しになりますが、理科もできる範囲で取り組むことをオススメします。
保護者が一番考えることは、お子さんの苦手分野の確認と第一志望校の出題傾向です。
頻出単元とお子さんの苦手分野が一致している場合は、早急に対策が必要になります。
第一志望校を変更するのは、あまり得策ではありません。苦手分野を克服することが、重要になります。
また、問題に取り組むときは、解答用紙を実物大にコピーすることをオススメします。
他の科目でも同様のことが言えますが、図や解答を書くときに実際の大きさで慣れておくことが重要になります。
理科が苦手なお子さんの成績アップ作戦!
理科が苦手なお子さんの場合、まず苦手な単元を後回しにする必要があります。
本来は、各分野の暗記科目をバランスよく学習する必要がありますが、まずは得点力をあげることです。
お子さんが苦手な理由を考えるといくつかの原因に絞られます。
・暗記量の多さに苦手意識が強くなる
・計算問題が全く解けない
・学校のテストはできるのに模試はできない
先ほども説明していますが、理科はできるだけ実際に経験をすることが理想です。
暗記や計算問題の対策もありますが、まずは苦手な単元こそ実際に体験することをオススメします。
問題集や参考書ではわからなかったことも実際に体験することで解決することもあります。
また、わからなくても嫌いから好きになるだけでも大きな進歩です。
暗記量が多く感じるお子さんは、単元ごとに区切るか頻出問題や基本レベルからマスターすることが重要になります。
計算問題が解けないお子さんは、数学的な力が足りないのか読解力が足りないかのどちらかの可能性があります。国語や算数の学習もしっかりおこなうことが重要です。
中学受験の理科は、数多くの問題に触れることである程度解法が理解できるようになります。
あまりオススメはしませんが、効率を考えると解法の暗記もひとつの方法です。
学校のテストはできるのに模試や入試問題が解けないお子さんは、基本レベルは理解していても複合問題になると手が出せない状態です。
多くの問題になれると同時にできるだけ国語の読解力や算数の計算力と考察力を身につけることをオススメします。
【まとめ】
中学受験の理科は、国語や算数に比べると配点が低くなるので重要視されない傾向がありますが、高得点を狙える科目でもあります。
特に中学受験の理科は、大学受験などに比べるとはるかに暗記項目だけでも多くの得点が望めます。
苦手意識から取り組まないお子さんもいますが、難しく考えずに取り組むことをオススメします。