全面的な教育改革のスタートに向けて中学受験でも多くの影響がありそうです。現代の中学受験に必須と言われる進学塾もそれぞれに進化をしています。
今回は、首都圏4大進学塾のひとつ「四谷大塚」の紹介と活用方法を説明していきます。この記事を読めば、四谷大塚の魅力だけでなくお子さんに適しているかもわかるはずです。
【中学受験!首都圏4大進学塾・四谷大塚はこんなところ!】
かつての四谷大塚は、中堅校の日能研に対して御三家や難関校向けの進学塾として知られていました。近年は、SAPIXが急激に伸びたこともあり安泰とは言えない状況です。
ここでは、大手進学塾の中でも少々変わった運営方法の四谷大塚の特長を説明します。また、授業やテキストをはじめ定評のある模試の紹介もしていきます。
中学受験最強のテキストと信頼度の高い模試!四谷大塚!
関東圏大手進学塾の四谷大塚は、「直系」「準拠塾」「通信」などに分類されています。主催する「合不合判定テスト」は、他塾の生徒も受験する大規模な模試です。
四谷大塚の概要:
四谷大塚の特徴:
・開校地域
東京・神奈川・埼玉・千葉
・教室数(推定)
約30校
・学習指導
集団指導塾
・対応レベル
中堅校~最難関校
・対象学年
小学1年生~小学6年生
(中学受験対象)
・費用(小学6年生時)
4科目 約51,000円
※その他「入会金」「教材費」別途
※費用や教室に関しては、変更の可能性もありますので直接ご確認下さい。
四谷大塚の母体は、大学予備校として名講師を多く抱える東進ハイスクールの系列です。四谷大塚と言えば、完成されたテキストと大規模な模試が特徴になります。
四谷大塚は、直系塾の他に通信教育や準拠点と呼ばれる提携塾も数多くあります。従って、生徒の学力も幅広くなっています。
四谷大塚のクラス編成と授業のスタイル
四谷大塚の授業は、基本的に2年間(以前は2年半)で受験対策を繰り返しながら完成させるスタイルです。自慢のテキスト「予習シリーズ」を中心に授業をおこないます。
クラス編成は、上位から「Sクラス」「Cクラス」「Bクラス」「Aクラス」「αクラス」となっています。各クラスの学習内容は異なりますが、クラス分けテストでクラスの変動があります。
授業内容は、1週間単位のカリキュラムで週例テストによって習得度を確認します。予習シリーズは、以前とは異なる改変版になってからは、難易度が全体的に向上しました。
従って以前は、下位クラスの生徒に対して基本からじっくりと学習するスタイルでしたが、中学受験の難易度の上昇が影響して問題のレベル向上や基本問題の削減が目立ちます。
四谷大塚は、「予習」「授業」「週例テスト」「復習」を1つのサイクルに考えています。2科目受験の生徒はともかく4科目受験となると時間的な問題があります。
考えられたテキストと学習システムですが、私立中学校の入試問題が難化するにつれて徐々に受験生への負担が大きくなっていると考えられます。
四谷大塚で使用するテキストの特徴と模試
四谷大塚のテキストは、中学受験用テキストの中でも最高の出来だと言われていました。基本から発展まで適切な問題と解説は、他の塾生も利用するほどです。
2012年にテキストの内容を改編したときに全体的な難易度が向上しました。そのため、中堅校以下の偏差値の受験生にとっては、敷居の高いテキストになっています。
この一連の流れは、おそらくライバル塾でもある「SAPIX」を意識した難関校向けのカリキュラム仕様の変更が原因です。
あきらかにペースが変わったことで、以前は4年生~6年生までのペースを徐々に揚げる配分でしたが、小学5年生の時点でかなりハイレベルになったと言われています。
そのような状態でも「予習シリーズ」の内容は、ある程度のレベル以上の受験生にとってはかなり優れた内容になっています。
四谷大塚の模試やテストは、大きく分類すると4つの模試やテストがあります。
・「週例テスト」
・「月例テスト」
・「公開組み分けテスト」
・「合不合判定テスト」です。
「週例テスト」は、1週間ごとにおこなわれる授業の習得確認テストのような存在です。クラスごとに出題される問題がことなるのも特徴のひとつになります。
「月例テスト」は、月に1回程度おこなわれる確認テストです。週例テストが1回分の範囲になりますが、月例テストは予習シリーズの複数回分が出題範囲になります。
「公開組み分けテスト」は、4年生と5年生が年に3回で6年生は2回あります。このテストの結果でクラス分けをおこないますが、難易度は週例や月例の比ではありません。
「合不合判定テスト」は、志望校への合格判定がおこなわれるテストです。中学受験三大模試の中でも難関校を受験する受験生は必須の模試だと言われています。
また、四谷大塚のテストには、一部の最難関校専用の模試も開催しています。四谷大塚の模試は、これらを含めて他塾の生徒も受験する大規模なテストになります。
【四谷大塚の特徴と活用方法!性格的な向き不向きは?】
四谷大塚の概要や授業方針をはじめクラス編成やテストについて簡単に説明しました。ここからは、実際に四谷大塚の特徴と活用方法を紹介していきます。
また、実際に自分のお子さんが四谷大塚の通塾に向いているかの判断基準を説明していきます。実際に塾を選択するときの参考になればと思います。
四谷大塚のメリットとデメリット!
四谷大塚は、定評のあるテキスト「予習シリーズ」と三大模試のひとつ「合不合判定テスト」の存在で首都圏のトップレベルの進学塾だと言われています。
四谷大塚が優れていることは確かですが、問題点もあると思います。問題点を事前に理解をしていれば、クリアをすることも可能なので理解しておきましょう。
四谷大塚のメリットは、実績のあるカリキュラムと信頼度の高いテキストの存在があります。確かに予習シリーズを改編した時期は問題点も浮き彫りになったようです。
現在は、落ち着いて以前の信頼できるカリキュラムに戻っているようです。予習シリーズは、中学受験用テキストの中で最も優れているテキストだと思います。
四谷大塚のデメリットは、塾の体制と現状の受験環境になります。予習シリーズの難易度が高くなったことで、中堅校以下の受験生には難しい塾になりました。
最難関中学校受験を考えているご家庭は、「SAPIX」と悩むご家庭も多い用です。基本的に近年の実績や自宅から通塾可能な所を選択することになります。
四谷大塚の活用方法を理解して志望校合格を目指そう!
四谷大塚に関わらず中学受験は大量の暗記と知識を短期間で習得しなくてはなりません。そのためには、完成されたカリキュラムを予定通りにこなす学力と体力が必要です。
予習シリーズの完成度が高いのは事実ですが、中堅校以下の志望校の場合は、「理科」「社会」などは別途対策が必要になると思います。
また、クラスによって授業内容が異なるので下のクラスで難関校を目指すのはかなり難しいと考えられます。できるだけ上位のクラスに入れるようにしなければなりません。
「クラス分けテスト」と同様に重要視される「合不合判定テスト」ですが、「週例テスト」や「月例テスト」で結果の出ていない受験生は、週例と月例の対策をしっかりしましょう。
四谷大塚の1週間で学習する内容は、かなり多くなります。毎週の週例テストまでに理解できるようにするのが最大のポイントだと考えられます。
効率良く学習をすすめるには、ご家庭の協力は必須条件です。特に時間的な管理は、親御さんの協力が重要になるので事前にカリキュラムを把握しておきましょう。
保護者必見!我が子は四谷大塚に向いているのか?
四谷大塚は、基本的に塾の数や難易度を考えると全ての受験生向きだとはいえません。ある程度近距離にお住まいの難関中学校を目指すお子さんに適している塾になります。
難関校を目指しているお子さんであれば、オススメできる塾です。もちろん、自宅から通塾可能な距離であることが基本になります。
稀に良い塾だからといって電車を乗り継いで塾に通わせるご家庭もあります。否定はしませんが、お子さんの体力的な負担がかなり高くなることは事実です。
塾の選び方は難易度や評判だけでなく「距離」も考慮する必要があります。これは、志望中学校の選択時に重要なポイントになる項目です。
仮にお子さんが目指している中学校が中堅校やそれ以下の偏差値ならば、無理に四谷大塚やSAPIXを選択する必要はありません。
四谷大塚は、提携している塾もあるので地元の塾の中にも予習シリーズを用いているケースも考えられます。
四谷大塚の場合は、授業とテスト・復習の繰り返しになるので予定が厳しくなります。予定を立てるのが苦手なお子さんの場合は、親御さんが協力をしてあげる必要があります。
【まとめ】
今回は、中学受験の首都圏4大塾・四谷大塚の紹介と活用方法などを説明しました。以前は、難関私立なら四谷大塚のイメージがありました。
近年は、SAPIXが高い実績を残しているので伸び悩んでいましたが、予習シリーズの実績と信頼度の高い「合不合判定テスト」は現在も中学受験の中心になります。
四谷大塚は、数的に多いわけではないので、通塾できる範囲も限られています。四大塾の中では、最もオススメできる通信教育をおこなっているのも四谷大塚です。
四谷大塚の予習シリーズ+家庭教師というのもひとつの考え方になります。お子さんの性格や体力面を考慮して良い塾を選ぶことをオススメします。