10月下旬になると中学受験を控えるご家庭では、第一志望合格と同時に併願校の選定を本格的にすすめる時期になります。
今回は、中学受験の中でも重要な「併願校の決め方」のポイントを説明していきたいと思います。
この記事を読んでお子さんにとって最適な併願校を決定してください。
【中学受験!保護者必見!併願校の決め方のポイントと基本!】
中学受験も大学受験や高校受験と同様に本命校や併願校という位置づけがあります。中学受験の併願校は、大学受験や高校受験とは考え方が異なります。
ここでは、中学受験の併願校を決めるときのポイントや注意点を説明していきます。
文章で読むと当然のように感じる内容もいざ受験となると冷静さを失う親御さんも少なくありません。
中学受験の併願校の決め方と考え方の基本
中学受験の目標は、第一志望の学校に合格することです。この目標は、全受験生共通の目標だと思います。
ところが実際に第一志望校に進学できる受験生は、決して多いとは言えないのが現実です。多くの受験生は、併願校や地元の公立中学校に進学することになります。
従って、中学受験で併願校を決めるときには、以下の3つのことを意識してほしいと思います。
・併願校は滑り止めではない!
・合格したときに自信を持って通える中学校の選択!
・併願校を選ぶときは、第一志望校合格への準備と考える!
中学受験で併願校を選択するのは、親御さんとお子さんの相談で決めることが理想です。
ただし、あくまでも第一志望校合格が最上位の目標であることを忘れてはいけません。
併願校受験の役割は様々です。
確かに第二志望校という考え方もありますが、スケジュール面をはじめ、自信やモチベーションの向上につながることも考えられます。
「慣れ」という意味では、いくら模試で経験をしていても受験当日の雰囲気は独特です。中には体調を崩してしまって、実力を殆どだせない受験生も少なくありません。
第一志望校を中心に併願校を選択するときに単純に実力面だけでなく、体調や精神的なことを考慮して日程を組むことも第一志望校合格への大切なポイントになります。
中学受験と大学受験の大きな違いを理解しよう!
大学受験は、比較的実力通りの結果になることが多いのに対し中学受験は、偏差値通りにならないことが多いのがもっとも大きな違いになります。
もちろん、難関校になると数字に近い結果になる傾向がありますが、あくまでも受験生全体のレベルがかなり高いことが理由になります。
中学受験を控える親御さんには信じられないことだと思いますが、受験当日になってもモチベーションが上がらないお子さんもいます。
1校目の合否が決まってから急激にやる気になるお子さんも少なくありません。一方で、充分な対策をとっていても当日体調を崩してしまうこともあります。
中学受験は、自分の実力を100%発揮できるお子さんは決して多くありません。その中で少しでも良い状態で受験ができるようになることが大切なポイントです。
大学受験よりもメンタル面の影響が大きい中学受験で大切なことは、「諦めない気持ち」「早い段階での合格」が大きなポイントになります。
塾の講師や家庭教師の多くは、中学受験で第一志望校を変えることに反対するケースが多くなります。これは、実績のことよりもお子さんのモチベーションを意識した考え方です。
確かに偏差値的に考えて厳しいと思う中学校でも最後まで諦めずに取り組むことも大切なことです。親御さんは、学校説明会や過去問題対策で最大限のサポートをする必要がります。
現実は甘くないので第一志望校に合格できる保証はありません。
そのためにも親御さんは、「リアルな第一志望校」「実力圏内校」「合格安全校」を選択する必要があります。
実力圏内校は、合否がわかりませんが「合格安全校」はできるだけ第一志望校よりも前に受験することをオススメします。
実際に通学することになることもありますが、何よりも第一志望校受験前に「合格」という最高のモチベーションアップの結果が出ることが受験生にとって重要になります。
第一志望校を中心に考える併願校の日程パターン(首都圏版)
中学受験の基本受験パターンは、大きく分類すると3パターンあります。
1月中にお試し受験を経て、序盤で本命校を受験するタイプです。
中学受験のパターンは3つ紹介しましたが、実際にどのパターンを採用するのかは、親御さんとお子さんで決定する必要があります。
いくつかのパターンを紹介しますので、お子さんの性格や成績の状況で併願パターンを考える参考にしてください。
・成績もモチベーションも向上している受験生
・良くも悪くも安定した結果の出ている受験生
・秋以降の模試で成績とモチベーションが下降している受験生
・好不調の波が激しい受験生
【中学受験の併願校選びのポイント データを意識した併願校選び!】
前半は、受験生の性格やモチベーションなどを考慮した併願校の選び方を説明しました。
中学受験は、モチベーションの維持が重要なことも理解できたと思います。
ここでは、データを意識した併願校選びのポイントを説明していきます。最終的には、総合的に併願校を選ぶことになるので参考にしてほしいと思います。
中学受験の併願校選びのポイント!偏差値の見方とポイント!
当サイトでは、中学受験で受験校を選択するときに「偏差値」を中心に選ばないと説明しています。この考え方は基本的に間違っているとは思いません。
併願校を選択する場合も偏差値を中心に考えることは中心にはなりませんが、合否を意識するので目安にする必要があります。
中学受験で参考にする偏差値には、様々なものがあります。中でも中学受験三大模試の偏差値は、志望校や併願校を選択するときに重要な数値になります。
中学受験三大模試
・四谷大塚「合不合判定テスト」
・日能研「全国中学入試センター模擬試験」
・首都圏模試センター「統一合判」
それぞれの模試には、合格判定を80%と50%の合格率として算出しています。
例えば日能研だとR4やR3と呼ばれている偏差値になります。
一般的に80%合格率などを参考にするご家庭が多いのですが、80%合格率が同じ偏差値で50%合格率の偏差値によって難易度が変わることを理解する必要があります。
・A中学校 80% 60 50% 55
・B中学校 80% 60 50% 58
上記のケースは、80%合格率は共に偏差値60です。ところが50%合格率をみると偏差値の幅が異なることがわかると思います。
同じ偏差値60の中学校という評価ですが、A中学校よりもB中学校の方が実力の近い受験生が多いことがわかります。
このような傾向は、同じ中学校でも後半の日程になると多くなる傾向があります。一方、中堅校になると初日の試験は幅が広くなる傾向があるので併願校として狙い目になります。
第一志望校は、あまり気にしなくても良いですが併願校の選択時には、注目をしても良いデータだと思います。特に合格安全校として考えている中学校であれば必須です。
中学受験の併願校選びのポイント!倍率に注意をしよう!
中学受験にも大学受験や高校受験と同じように「倍率」が存在します。中学受験の倍率で意識をするのは、「応募倍率」と「実質倍率」になります。
募集予定の人数が、100人の中学校があるとします。応募者数が、1000人で合格者数が100人であれば、応募倍率も実質倍率も10倍です。
募集人数 | 応募者数 | 合格者数 | 実質倍率 |
100人 | 1000人 | 100人 | 10倍 |
難関校の場合は、この数値の幅が狭くなります。中堅校やお試し受験の場合、合格をしても実際に入学しない受験生も多いので予定よりも多く合格者をとります。
応募者数1000人で合格者数が、500人であれば実質倍率は2倍ということになります。当然のことですが、実質倍率が低ければそれだけ合格率が高くなるので併願校向きです。
募集人数 | 応募者数 | 合格者数 | 実質倍率 |
100人 | 1000人 | 500人 | 2倍 |
絶対に避けるべき併願校の選択方法とは!
これまで併願校を選択するポイントについて説明してきました。最後にこれだけは避けたい併願校の選択について紹介しておきます。
・第一志望が、複数日程の場合に注意をする点
第一志望の中学校を受験する回数を増やしたい気持ちはわかりますが、2/1~2/3などの予定で組み込んでしまうと受験の後半日程で併願校を受験しなくてはなりません。
受験日が後半の実質倍率は、高いのが基本です。また、偏差値の幅も狭くなるのでかなり危険度の高い併願校になります。
2/1と2/2の受験だけにして2/3で併願校を受験すると同時に移動が可能な範囲で、2/1~2/3の間に安全校の午後入試を受験するのがオススメになります。
・合格安全校が本当に合格安全なのかを確認しよう!
基本的に後半日程の偏差値は高くなりますし受験の実質倍率も高くなります。
特に大学附属校や高い進学実績を残している進学校は避けるのが賢明です。
【まとめ】
今回は、中学受験の併願校の選び方の基本を説明しました。併願校は、滑り止めというよりも実際に通う可能性がある学校として考えるのが基本です。
第一志望校に合格をするのが前提ですが、校風や教育理念が似ている学校を選ぶことをオススメします。間違っても偏差値だけで選ぶのは避けるべきです。
併願校の選択は、あくまでも第一志望校に合格するための工程として考えるべきです。親御さんはできるだけお子さんがベストな状態で受験当日を迎えられるようにサポートしてください。