コロナ過の影響で中学受験の状況も変化していますが、同時に家庭の経済状態が悪化しているご家庭も少なくありません。私立中学校の受験を考えていても費用を考えると難しいこともあります。
今回は、通塾なしで中学受験を考えている4年生と5年生のお子さんを持つ保護者向けの記事になります。
この記事を読んで、「通塾なし」の中学受験に役立ててください。
【家庭学習だけで中学受験は可能か?事前に理解するべきこと!】
中学受験は思っている以上に費用がかかります。特に難関私立中学校への受験には、進学塾の存在が必須だとも言われています。
ここでは、「通塾なしの家庭学習だけで中学受験は可能か?」について説明をしていきます。
事前に理解しておくことも紹介しておきますので、参考にしてください。
家庭学習だけでも中学受験は可能だが・・・!
私立中学校の受験にはそれないの費用がかかりますが、特に大きな存在は通塾にかかる費用です。
進学塾も6年生になると月に4万円以上はかかるのが一般的だといわれています。
公立中学校を否定するつもりはありませんが、私立中学校にはそれなりの良さがあるのも事実です。
特にお子さんの通いたい中学校があるのであれば、夢を実現させたいと思う親御さんも多いと思います。
はじめに結論です。
私立中学校受験は家庭学習だけでも充分可能ですが、御三家と言われるような難関私立中学校への合格は進学塾への通塾を強くオススメします。
家庭学習だけで中学受験をするのであれば、中堅校と呼ばれる私立中学校を目指すのが理想だと考えられます。
偏差値だけで決められませんが、45~55くらいが目安です。
このような記事のはじめの段階で言うのもどうかと思いますが、中学受験の厳しさや現実を理解してもらうためにも最初が良いと考えました。
確かに家庭学習だけで偏差値60以上の私立中学校に合格するお子さんもいると思いますが、一般論を考えると稀なケースです。
合格出来る可能性を考えると、お子さんへの負担を考えて事前に目標を私立中堅校にしました。
ちなみに私立中堅校といっても大学附属校も多いですし、大学進学実績も難関大学への進学は決して低くありません。
また、お子さんに適した校風を考えれば楽しく通学できるはずです。
通塾なしの中学受験は親御さんのサポートがポイント!
家庭学習のみで中学受験を目指す場合に、志望校以上に重要なことがあります。
進学塾を利用しない場合は、親御さんのサポート面での負担がかなり高くなることを事前に理解しておかなければなりません。
中学受験は通塾をしているお子さんでも、親子の二人三脚と言われるほど親御さんのサポートが重要になります。
進学塾に通っていると、学習面や志望校の情報など多くの面で塾に任せることができます。
家庭学習で中学受験をするのであれば、この部分も親御さんがサポートしなければなりません。
家庭学習で中学受験は、充分可能です。
ただし、親御さんのサポートが合否に大きく影響することを事前に理解してほしいと思います。
四谷大塚or日能研 参考書や問題集の選び方!
中学受験を家庭学習でおこなう場合は、参考書や問題集の選び方も重要なポイントになります。
今回は4年生と5年生向けの内容なので、大まかな選び方のポイントを説明します。
参考書や問題集を選ぶときは、お子さんの学力や相性を把握する必要があります。
一番の目安になるのが学校のテストの点数の確認です。
小学校のテストと中学受験は違うという意見もありますが、少なくとも小学校のテストで苦戦をしているようでは中学受験も難しいと思います。
少なくとも国語と算数の成績は、ある程度の得点が求められます。
あくまでも参考程度の内容ですが、学力別にオススメの参考書や問題集を紹介しておきます。
・小学校のテストで苦戦をしているお子さんの場合
小学校のテストで苦戦をしているお子さんの場合は、中学受験よりも小学校で習う内容を理解するのが最初の目標です。
焦る気持ちはわかりますが、小学校4年生であればまだまだ間に合います。
小学校の学習内容を理解するには、文理から出版されている「教科書ワーク」がもっともオススメの教材になります。
お子さんの通っている小学校に合わせて購入することができます。
本来は国語・算数・理科・社会を学ぶべきですが、国語と算数の苦手意識をなくすことが最初の目標です。
理科や算数は、マンガ形式のものでも良いので好きになることを中心にすすめてください。
既に小学校5年生のお子さんの場合も基本的な考え方は変わりませんが、
進学塾の中学受験対策は小学校5年生がもっとも内容が濃くなるので注意が必要です。
模試などを受けるとあきらかな学力差がでますが、中堅校を目標にするのであれば時期的にまだ間に合います。
お子さんのモチベーションの維持を大切にしてください。
・小学校のテストはできているお子さんの場合
小学校のテストはできているお子さんの場合は、受験用の参考書や問題集を利用することをオススメします。
教科書ワークを併用しても良いですが、手を広げすぎないような注意が必要です。
市販の中学受験対策用の問題集や参考書にも良いものはありますが、
ここでオススメするものは中学受験の定番と言えるシリーズになります。
四谷大塚の塾生が使用しているテキスト「予習シリーズ」を利用するか、日能研教務部(みくに出版)が発売しているテキストがオススメです。
難易度的に予習シリーズは、四谷大塚が誇るテキストです。
以前に比べると内容的に劣るとの声もありますが、中学受験用のテキストとしてオススメできます。
難易度が高いので、親御さんが一緒に教えることができるのが条件とも言えます。
したがって、購入のさいは親御さん用とお子さん用の2冊が必要です。
日能研教務部の場合は、ウイニングステップやマスターシリーズの該当学年をおこなうことになります。
難易度的にはこちらの方がわかりやすい印象です。
【小学校4年生でおこなう家庭学習と中学受験!】
家庭学習だけで中学受験を考えている場合は、親御さんがお子さんの学習面と精神面をサポートしなければなりません。
小学校4年生は中学受験の準備段階ですので、慎重な対応が必要です。
ここでは、小学4年生でおこなう家庭学習と中学受験対策を説明していきます。
難関中学校を目指す進学塾とは学習ペースに差が出ますが、焦らずに取り組んでください。
学習の習慣化をつける大事な時期!
小学4年生は中学受験の有無に関わらず学習の習慣化が最大の目標になります。中学受験においても、準備段階だといえます。
学習の習慣化をつけるためにも計画表を親子でつくることをオススメします。
習い事をしている場合は、その時間も計画表に加えてください。1週間単位の予定表をつくって、無理のない学習時間を継続することを目標にする必要があります。
したがって1週間に1日は予備日・調整日をつくることをオススメします。
習い事をしているお子さんや小学校の学習で苦戦をしているお子さんは、教科書ワークを中心に苦手意識をなくすことが重要です。
お子さんの学習時間や復習には、できるだけ親御さんのサポートが必要です。特に間違っているところを放置してしまうと、中学受験は難しくなります。
小学校のテストと中学受験の違いを理解しよう!
小学校のテストである程度得点力のあるお子さんは、一度模試を受けてみることをオススメします。
主催はどこでも良いですが、首都圏模試が一番オススメです。
模試の特徴に関しては後ほど説明しますが、首都圏模試は基本的に中堅校を受験する受験生向けの模試になっていますので、一番適していると考えられます。
首都圏模試は主に偏差値50未満の中学校にも対応している模試です。偏差値50未満といっても、あくまでも中学受験を基準にしているのでレベルが低いわけではありません。
模試の結果で偏差値が40程度になると落ち込むお子さんや親御さんもいるようですが、小学生の平均という意味でみればむしろ上位になります。
一般的な小学校のテストが満点のお子さんでも、模試では偏差値40以下というのは珍しいことではありません。模試の結果で自信をなくさないようにしてください。
はじめての模試を受ける理由は、中学受験の厳しさと目標を知るためです。
目標が定まっていない状況で受験対策をするよりも目標を決めるほうが、モチベーションがあがると思います。
小学校4年生!オススメの参考書と問題集
小学校4年生にオススメの参考書と問題集を紹介していきます。
あくまでも小学校のテストで高得点が取れていることが前提です。
・国語
ウイニングステップ国語1(4年)
ウイニングステップ国語2(4年)
漢字マスターシリーズ(4年)
・算数
ウイニングステップ算数1(4年)
ウイニングステップ算数2(4年)
算数の基本問題(4年)
マスター1095題 一行計算問題集シリーズ(4年)
・理科
ウイニングステップ理科(4年)
理科実験資料集 改訂新版(4年~6年)
・社会
ウイニングステップ社会(4年)
日本とつながる世界がわかる(4年~6年)
【小学校5年生でおこなう家庭学習と中学受験!】
本格的に中学受験対策をおこなうのは、6年生になってからと考えている方も多いと思います。
実際には多くの進学塾が、5年生の段階でほとんどの受験範囲を終えているのが現状です。6年生になると前半は主に弱点克服や復習と応用的な内容になります。
秋以降になると志望校にむけた対策が本格的になるのが基本です。
ここでは、家庭学習で中学受験を考える小学5年生の学習内容と中学受験対策について説明をしていきます。
進学塾とは目標が異なるので、多少スケジュールは変わります。
中学受験の中心は5年生!重要なスケジュール管理!
私立中堅校を目標にするといっても5年生が中学受験にとって重要な1年間であることに違いはありません。特に苦手科目や分野があるお子さんは、早めに解決する必要があります。
小学5年生の時点で「教科書ワーク」の内容が理解できないお子さんや学校のテストで苦戦している場合は、今後を考える時期でもあります。
あくまでも私立中学受験を考えるのであれば、費用面を考慮して国語と算数だけでもネット塾を利用することをオススメします。
ここではネット塾の詳細は省きますが反復学習や苦手克服に適しているところも多いので、費用面を考えながら取り組んでみると成果が期待できます。
習い事をやめる必要はありませんが、学習時間を確保できることが条件です。この頃になるとお子さんが本当に中学受験を望んでいるかどうかも見えてきます。
お子さんが中学受験を断念する理由によって、親御さんがとる行動は変わります。習い事やスポーツなどに夢中になっている場合と模試の結果が悪い場合です。
前者はできるだけお子さんの話を聞くことから始めます。習い事やスポーツの種類にもよりますが、私立中学校の中には更に上を目指せる部活も存在します。
自分の好きな部活を目指して中学受験をするお子さんは少なくありません。
目標として決して間違いではありませんので、親御さんが上手く説明することをオススメします。
模試の成績が悪い場合は、無理に受験をあきらめる必要はありません。
進学塾に通っている受験生と同じ模試を受けているのですから、この時期に良い成績を残せるのは稀です。
一番大事なことは、年間・月間・週間のスケジュール管理を親御さんがおこなうことです。
あくまでも、お子さんが主役なのですから一喜一憂せずに長期戦で先を目指してください。
模試を利用して志望校を目指そう!
小学5年生になると他の受験生との差や志望校合格の目安を知るためにも模試を受験する必要があります。模試を受けることは、受験に慣れるという意味でも重要です。
自宅学習で中学受験をする最大の欠点は、受験に対する他の受験生との差や試験会場にある独特の雰囲気への不慣れです。
中学受験の模試は、主催する塾の教室でおこなう模試と中学校や大学の校舎を利用する模試があります。志望校が会場になる場合もあるので、積極的に受験することをオススメします。
受験会場で模試を受けると模試の種類にもよりますが、試験時間中に保護者向けの情報説明会をおこなうこともあります。
進学塾に通塾している場合は、お子さんだけでなく保護者に対しても充分な中学入試情報を得ることができます。
この差をうめるためにも模試の受験をオススメします。
小学校5年生!オススメの参考書と問題集
小学校5年生にオススメの参考書と問題集を紹介していきます。4年生で紹介しているシリーズが中心になっています。
・国語
ウイニングステップ国語1(5年)
ウイニングステップ国語2(5年)
漢字マスター 一〇九五題(5年)
・算数
ウイニングステップ算数1(5年)
ウイニングステップ算数2(5年)
算数の基本問題(5年)
マスター1095題一行計算問題(5年)
・理科
ウイニングステップ理科(5年)
理科の基本問題(5年)
理科実験資料集 改訂新版(4年~6年)
・社会
ウイニングステップ社会(5年)
社会の基本問題(5年)
日本とつながる世界がわかる(4年~6年)
白地図作業ノート(5年~6年)
日本史資料集 改訂第4版カラー新版(5年~6年)
入試によく出る歴史人物60人 改訂新版(5年~6年)
【家庭学習で中学受験!保護者の疑問こんなときはどうする!】
家庭学習中心の中学受験は、悩みや疑問に対して回答してくれる塾の講師がいません。ネットにも情報はありますが、自分のお子さんにとって最適な情報の選択が難しいこともあります。
ここでは、家庭学習で中学受験を考えている保護者向けの疑問点に回答をしていきます。
通塾をしている受験生にも多い悩みなので、参考にしてほしいと思います。
中学受験に関する情報や志望校の特徴を知りたい!
中学受験に関する情報は会場模試などで得ることもできますが、中学校で主催する学校説明会が一番オススメになります。
志望校の説明会は積極的に参加をするべきです。
学校説明会では、学校の教育理念や校風をはじめ入試要項の説明があります。多くの中学校は科目ごとの採点方法や出題傾向の説明をおこないます。
中学入試で合格をするポイントに受験校の特徴をつかむことがあります。そのためにも受験校の学校説明会は必須です。
首都圏の中堅校は、複数日程で受験をおこなうケースが多くなっています。午後入試も含め市販の過去問題には掲載されていない過去問題を配布していることも少なくありません。
模試の受験は必要?どの模試を受験するのがオススメ?
通塾なしで中学受験をする場合は、会場模試を受けることで現状を理解することになります。従って、模試は積極的に受験することをオススメします。
首都圏で模試を受ける場合は、基本的に三大模試の中から選択することになります。三大模試とは以下の模試です。
・合不合判定テスト 四谷大塚
・全国公開模試 日能研
・統一合判 首都圏模試センター
模試が他にもありますが、模試の受験者数や規模を考えるとこの3つになります。それぞれの模試に特徴がありますので、簡単に説明をしていきます。
・合不合判定テスト 四谷大塚の特徴 偏差値の目安 60以上
進学塾の四谷大塚が主催する模試で、受験者数も多いのが特徴です。
3大模試の中でもっとも難易度が高い模試なので、難関校を受験するお子さん向けです。
・全国公開模試 日能研 偏差値の目安 45~65
日能研の主催する全国公開模試は、受験者数の多さと幅広い偏差値に対応している問題が特徴の模試です。
試験後に配布される成績や情報も充実しています。
・統一合判 首都圏模試センター 偏差値の目安 ~50
首都圏模試センターが主催する統一合判は、中堅校を目標にしている受験生向きの模試です。
偏差値50未満といっても、あくまでも中学受験レベルの偏差値になります。
基本的に通塾なしで中堅校を狙うのであれば、首都圏模試センターの統一合判がオススメです。
あきらかに難易度が低いと感じるのであれば、日能研の全国公開模試も良いと思います。
受験科目数は2科目受験と4科目受験のどちらがオススメなの?
私立中堅中学校の入試は、4科目受験の場合と2科目受験を開催しているケースがあります。特に午後入試は国語と算数のみという中学校も多くなっています。
5年生や6年生になると覚える量が多くなるので、理科と社会が受験生の負担になることもあります。
時間的にゆとりがなくなると、どうしても2科目受験を考える受験生も少なくありません。
午後入試の2科目受験のみを考えている受験生もいるかもしれませんが、進学後や受験校や回数のチャンスを考えると4科目受験をオススメします。
もちろん4科目受験を基本にすすめますが、国語と算数の学習時間に比重をおくことになります
【まとめ】
通塾なしで中学受験をする場合は、親御さんのサポートが重要になります。
本来塾の講師に任せられる部分を親御さんがおこなうことになるので、注意が必要です。
お子さんの成績不振や苦手科目の克服が難しいときは、ネット塾などを利用することをオススメします。
中学受験は長期戦なので、親御さんは一喜一憂しないように注意してください。