このサイトでは、小学生に身につけてほしい5つの力として
「国語力」
「算数力」
「英語力」
「プログラミング」
「お金の知識」
を紹介しています。
どの力も進学だけでなく大人になってからも役立つ力です。
今回はこの中から「お金の知識」について説明をしていきます。
この記事を読んでお子さんが大人になったときに、役立つ金融リテラシーをつける参考にしてください。
【なぜ小学生にお金の知識を身につけてほしいのか?】
日本の金融に関する教育は世界水準と比較するとかなり遅れているといわれています。特に資産運用に関する知識をはじめ、お金の教育に否定的なイメージがあるのが本音です。
近年になり、学校でも金融に関する教育を開始しているようですが、まだまだ不足しているのではないかと感じています。
ここでは、小学生にお金の知識を身につけてほしい理由を説明していきます。
お金に困っている大人が多い現実を避けさせるため
日本人は銀行の預金で資産を多くする習慣がありました。特に現在80代の方ともなると定期預金の年利が6%程度の時代を知っているだけに、定期預金がベストな運用だと信じてしまうのも納得できます。
年利6%の預金は複利計算だと約12年で預金額が倍にふくれあがります。現在の金利では考えられないことですし、リスクがない資産運用方法なので人気が高いのは当然です。
現在30代~40代の人で預金が100万円以下というのは50%以上だといわれています。この預金額だと急な収入減や大きな出費に耐えることができないのが本音です。
あくまでも仮の計算ですが、20歳から20年間毎月1万円積立てると元本が240万円になります。利回り5%の投資信託を運用すれば、約411万円になることが期待できます。
もちろん、投資信託は定期預金のように元本が確保できるものではありませんが、正しいファンドを購入していればこの数字以上の結果になることが期待できます。そのために必要なことは、小学生の頃から金融に関する知識を身につけることです。
金利や社会保障の今後を考えると必要な金融教育
日本の老後の生活に対する保障や医療費に関する制度は、世界でも高水準の保障内容だといわれています。年金はもちろんですが、保険に関する保障が多くの国民の助けになっているはずです。
その一方で、現在の金利状況や少子高齢化時代が加速化すると、間違いなく今の子どもたちが年金を受け取るときは状況が悪化すると考えられています。それだけでなく、大人になって働くようになったときの負担状況も現在よりも悪くなると思います。
このような将来の状況を考えると、小学生のときにできるだけ金融に関する知識を身につけていく必要があります。正しく金融の知識を身につけることができれば、無駄をできるだけ省くことも可能です。
金融教育は親ができる身近な教育のひとつ!
中学受験対策や学校で学ぶ国語や算数は、親御さんよりも学校や塾で学ぶのがもっとも効果的です。金融教育も学校で学ぶようになりますが、親御さんが日頃の生活で教えることをオススメします。
もちろん、親御さんの金融リテラシーが低ければ良いことを教えることができませんので、まずは親御さんが正しいお金の知識を身につける必要があります。自分で金融知識が少ないと考えている人は少しでも早く取り組むことをオススメします。
【やってはいけないお金の教育とは?】
お子さんのお金に関する知識を向上させるには、親御さんの協力が必要です。ただし、間違った金融教育をしてしまうことも考えられます。
ここでは、やってはいけないお子さんに対する金融教育の方法を紹介します。代表的なものですが、無意識に習慣化してしまうこともあるので注意が必要です。
何でも買ってあげる習慣がある
ご家庭の経済状況にもよると思いますが、お子さんに頼まれるとつい買い与えてしまうという親御さんもいるのではないでしょうか?お子さんがかわいいのはわかりますが、与えられたお小遣いの範囲で欲しいものを厳選するのも大切なお金の教育になります。
裕福な家庭に育ったお子さんだからといって、お子さん自身が資産を増やしたわけではありません。本当にお子さんの将来のことを考えるのであれば、お金の使い方を教えるためにもお小遣いの範囲でやりくりする力を教えることをオススメします。
仮に買ってあげたいのであれば、書籍などは良いと思います。勉強や書籍に関するお金は親御さんが購入しても特に問題はありませんので、バランス良く対応することが理想的です。
お小遣いの管理を子ども任せにしてしまう
お子さんにお小遣いの管理をさせるのはオススメしますが、完全に放置することは避けるべきです。お小遣いで何を買ったかではなく、収支管理を確認することが重要になります。
お小遣いのやりくりを上手くできるお子さんは、将来的にもお金の管理がスムーズにおこなえるはずです。特にそのなかでも残高が残せるようなお子さんであれば、資産運用にも向いているお子さんの可能性が高くなります。
お小遣いの管理は、ノートやお小遣い帳を使用するのが一般的です。定期的にお子さんと一緒にチェックをすることで、収支バランスのコツを教えていくようにできれば良いと思います。
お小遣いの使い道に口を出しすぎてしまう
お小遣いの使い道に口を出してしまう親御さんも多いのではないでしょうか?確かに収支の管理は必要ですが、使い道に対して許容範囲であれば見守るのもひとつの方法です。
お小遣いをあきらかに無駄な使い方をしていると感じても、お子さんにとっての価値観は無駄ではないと判断しているかもしれません。もちろん、あとから無駄だと気がつくこともありますが、それは経験として重要なことになります。
大人になってからお金で失敗する人のなかには、子どものときの失敗に気がついていない人や事前に親御さんに止められているケースも考えられます。子どもの頃に失敗を経験していれば、お金の使い方が慎重になることが期待できます。
【小学生に身につけて欲しい3つのお金の知識とは?】
小学生にお金の知識を身につけてほしい理由や、避けるべき行動を紹介しました。ここからは、お子さんに身につけて欲しいお金の知識を説明していきますので参考にしてください。
身につけて欲しい力は、基本的に大人と同じです。
「お金を貯める知識」
「お金を増やす知識」
「お金を守る知識」
の3つになりますので、順番に説明をしていきます。
小学生に身につけてほしいお金の知識1「お金の貯める知識」
お金を貯める知識は大人だと収入と節約などが基本になりますが、お子さんの場合はお小遣いの管理をすることです。お小遣いやお年玉の一部を預金する習慣が一番わかりやすいと思います。
当たり前のことですが、お小遣い以上のお金を使ってしまえば、お小遣いはなくなってしまいます。基本はもらっているお小遣いの一部を最初に除いてしますことです。
具体的な金額は個人差があると思いますが、最低でもお小遣いの10%は預金にまわすのが理想的です。残ったお小遣いが足りない場合は、親御さんと一緒にどこを節約するかを相談することをオススメします。
お金を貯める知識で理解してほしいことは・・・
・お小遣いの管理
・お小遣いの使い道を考えること
小学生に身につけてほしいお金の知識2「お金を増やす知識」
お金を増やす知識は、大人であれば投資信託などの資産運用になります。お子さんの場合は、リスクのある資産運用ではなく、定期預金などの運用方法が一番無難です。
一方で、資産運用のリスクについてもわかる範囲で知識を蓄えていくことをオススメします。特に投資信託や株式といった将来役立つ運用方法の基本は興味のあるお子さんであれば、ある程度の理解は期待できます。
お金を増やす力の考え方の基本は、余っているお金に働いてもらう意識を持つことからはじまります。複利の力や長期分散投資といった資産運用の基本を理解することが最終目標です。
お金を増やす知識で理解してほしいことは・・・
・資産運用の基本や複利の力
・資産運用の基本は長期運用であること
小学生に身につけてほしいお金の知識3「お金を守る知識」
最後に身につけてほしいお金の知識は「お金を守る知識」です。お金を守る知識は詐欺的なことだけでなく、カードローンなどの怖さを理解することになります。
お金を増やす知識で資産運用のことを紹介しましたが、お金を守る知識にも資産運用の理解は重要になります。世の中には絶対に大きく得をする投資は存在しないということを事前に理解することが重要です。
借金やローンに対する考え方も同じです。お子さんにリボ払いなどの仕組みを説明するのは難しいと思いますが、クレジットカードの仕組みや利用の難しさは、徐々に理解できるように教えていく必要があります。
【親御さんとお子さんにオススメする実際の資産運用】
小学生のお子さんでも、高い金融リテラシーがあれば資産運用のメリットやデメリットも理解できるはずです。資産運用の基本は長期分散投資なので、はやい時期から開始するのは最大のメリットになります。
ここでは、親御さんにオススメするお子さんへの贈り物を含めた金融教育を紹介します。
複利効果や長期運用のメリットを教えるときに役立ててください。
お小遣い帳でお小遣いの管理をしよう!「自然な節約習慣」
お小遣い帳の管理は既に説明をしていますが、お小遣いをマイナスにしないお金の管理ができるようになると倹約や節約といったことが無理なくできる性格になります。
一般的に世間で言われているお金持ちの多くは、意識的に節約をしていない人が多いようです。ただし、無駄な保険の契約をしていませんし、必要のないものは買わない習慣があります。
今は欲しいと思っている物でも、少し考えて期間を空けるとそれほど欲しいと思わなくなることもあります。この感覚もお小遣い帳管理とあわせて身につけることをオススメします。
お金を与えるのではなくお金を増やす知識を教よう!
コツコツと定期預金を積立ててお子さんが成人をしたときにまとまったお金を渡したいと思っている親御さんも多いと思います。金額は個々の経済状況によって違うと思いますが、いくらであってもお子さんにとっては嬉しいことです。
ただし、金融教育が不充分なお子さんだと100万円残しても1000万円残しても、使うことだけしか考えないかもしれません。または、そのまま定期預金にするお子さんもいるでしょうが、資産運用の方法としては満足できる考え方ではありません。
お金の教育に限ったことではありませんが、お金や物を与えるのではなくお金や物を増やす方法やつくる方法を教えることをオススメします。大人になってから役立つはずです。
お子さんへの将来の贈り物!「未成年口座」で資産運用
あまり知られていないようですが、証券会社には未成年口座というものがあります。18歳未満で未婚の人が条件になっている口座で、親御さんがお子さんに変わって口座を管理することが可能です。
未成年口座のメリットは、実際に投資信託などを体験できるだけでなく、長期運用が可能になるので最終的に資産が増える可能性が高くなります。一方で、投資信託であっても損をする可能性があるのも事実です。
【まとめ】
今回は小学生にみにつけてほしい「お金の知識」について説明をしました。金融教育を反対する親御さんもいるかもしれませんが、お子さんの将来や現在ある金融犯罪などを考えると今後は必須の知識になります。
難しく考えずにわかりやすいところから知識を増やすことが理想的です。金融教育を効果的にするには、親御さんとお子さんの距離をうまく保つことをオススメします。