私立中学校の受験対策には、進学塾への通塾がもっとも有利だといわれています。
確かにこの考え方は間違ってはいません。
今回は、近年中学受験対策の新しい方法として人気のあるネット塾の比較と選び方のポイントを説明していきます。
お子さんの性格や志望校によって異なるので参考にしてください。
【小学生向けネット塾の授業形態と種類を理解しよう!】
小学生向けのネット塾も学力や授業形態の違いで選択肢が豊富になっています。
選択肢が多いということは、間違えてしまう危険性も否定できません。
ここでは、ネット塾選びを授業形態のタイプ別に説明していきます。
ひとことでネット塾と言っても複数の形態があるので充分に理解する必要があります。
学習意欲の高いお子さん向け!映像授業型
動画の閲覧で授業を受けるタイプのネット塾です。
映像授業型のネット塾のメリット、受講をしていれば自分の好きなタイミングで授業を受けられる点です。
授業の内容も自分の理解度に合わせて何度でも復習することもできるので、
学習計画や自分自身の苦手分野を理解しているお子さん向きのスタイルです。
一方、自分で学習計画がつくれないお子さんや学習意欲のスイッチが入っていないお子さんには難しいかもしれません。
ネット塾全般に言えることですが、
映像授業型の場合は自主的に取り組むことが最も成果を期待できる利用方法です。
親御さんのサポートが重要なポイントになります。
自分で計画をつくれるなら!個別学習型
個別学習型は、他のスタイルが授業を受けるタイプに対して自分のレベルに応じた問題を解くタイプになります。
オンライン問題集というイメージが良いと思います。
個別学習型は、一見すると市販の問題集や通信教育と同じように思われがちです。
実際は、お子さんの学力や苦手分野などをコンピュータで解析した問題を出題してくれます。
自分の学力や学習ペースに合わせて進行させることになるので、
中学受験向きというよりも基礎固めや学習の習慣化にオススメできます。
中学受験向きではありませんが、学習意欲があるお子さん向きのシステムになります。
学習の習慣化を目的にするのであれば、親御さんのサポートが必要になります。
学習の定着と基本重視なら!個別指導型
個別指導型のネット塾は、最も一般的な個別指導の通塾に近いスタイルになります。
・「映像授業型」
・「個別学習型」
との違いは、講師が対応しているところです。
オンラインでの授業といっても、実際に講師との個別指導になるので疑問点や質問のタイミングがベストになります。
また、授業の進行も個別調整を任せられるので安心です。
中学受験は、お子さんと親御さんの二人三脚が重要です。
ただし学習面においてはできるだけ塾の指導や管理体制に委ねるのが安全な対策方法になります。
もちろん親御さんのサポートは重要ですが、
成績や心理的部分で親御さんがお子さんに強く言いすぎると逆効果になることもあります。
ちょうど良い距離を保つにはオススメできます。
【理解した上で利用すれば問題なし!ネット塾のメリットとデメリット】
以前の中学受験は、進学塾や地域の中学受験向けの塾へ通うのが一般的な対策方法でした。
近年は、ネット塾の大きな進化もあることから多くの可能性を期待できます。
ここでは、小学生向けのネット塾のメリットとデメリットを説明していきます。
中学受験や学習の習慣化にネット塾は本当に向いているのでしょうか?
ネット塾のメリットとは?
ネット塾のメリットは、大きく分類すると3つあります。
・「費用面が抑えられる」
・「時間の束縛が少ない」
・「自分のペースで学習をすすめられる」
が主なメリットです。
・費用面が抑えられる
学習効果を考えると通塾がもっともオススメですが、費用とのバランスを考えると難しい問題になります。
進学塾の費用だけでなく家からの距離によって交通費なども必要です。
・時間の束縛が少ない
通塾をはじめると自宅からの距離にもよりますが、時間面での負担が少なくできます。
また親御さんも塾への送迎などの負担がなくなります。
・自分のペースで学習をすすめられる
ネット塾最大の魅力が、自分のペースで学習をすすめられることです。
学習の理解度や成績に応じて復習やふり返り学習にもオススメできます。
時間的な面でも自由度が高いので、自分の生活に学習時間を合わせることができます。
学習計画力や学習意欲の高いお子さんであれば、効果の期待が更に望めると思います。
ネット塾のデメリットとは?
ネット塾の良い面を探すと多くの情報がインターネット上にあります。
ネット塾にメリットがあるのは事実ですが、デメリットも理解しておくことをオススメします。
・自分の管理が全てのネット塾
ネット塾の学習は時間的な自由度が高いのがメリットですが、自己管理が重要なポイントになってきます。
学習計画の作成や親御さんのサポートも大切です。
・個別指導や情報の限界も・・・
ネット塾の中にも個人指導型はありますが、通塾や家庭教師と比べると万全とは言えません。
特に大手進学塾の私立中学に関する情報量は、信頼性が高いと言われています。
・私立難関校の受験には不向き
100%とは言いませんが、私立難関校への受験を考えると有利になるとは言えません。
もちろんお子さんの性格や志望校との相性もあるので、一概には決められません。
中学受験を考えるなら基本は併用がオススメ!
近年のネット塾がおこなう授業内容であれば、中学受験も充分に対応可能です。
ただし私立中学受験を考えている場合は、通塾との併用がベストな考え方になります。
特に難関私立中学校の受験対策を考えると通塾とネット塾の併用がオススメになります。
どちらか片方でも充分できますが、あくまでも万全の状況をめざす場合です。
【お子さんのタイプ別で選ぶネット塾の特徴!】
ネット塾は種類も豊富なのでお子さんに適したところを選ぶのも重要です。
お子さんの性格や中学校受験の有無などを考える必要があります。
ここでは、数あるネット塾の中から小学生向けのネット塾をいくつか紹介していきます。
お子さんに適したネット塾選びの参考にしてください。
Z会
通信教育としてタブレット型の講座を中心にしたネット塾になります。
お子さんそれぞれに
・「教科専任指導者」
・「担任指導者」
がサポートしてくれます。
教科専任指導者は主に添削指導で、担任指導者は学習指導全般が役割です。
・「教科専任指導者」
=添削指導
・「担任指導者」
=学習指導全般
実績の高いZ会は、中学受験にも充分対応可能な水準の学習内容になっています。
★適しているタイプ
・難関中学校であれば、通塾との併用がオススメ
・学習意欲が高く、日頃の学習習慣が身についているおこさん
進研ゼミ
進研ゼミは、ベネッセコーポレーションの赤ペン先生で古くから親しまれている通信講座の老舗的な存在です。
現在は、ネット環境を利用した学習スタイルも併用しています。
進研ゼミの良さは、
・紙を利用した学習
・ネットを利用した学習
の併用です。
実際に自分で書くことは、長期記憶の土台作りにも役立ちます。
★適しているタイプ
・既に学習習慣が定着しているお子さん
・通塾との併用が理想
スタディサプリ
映像による授業の質の高さとコストを抑えたコストパフォーマンスが人気のスタディサプリは、
今回紹介する中で最も幅広い層に向いているネット塾です。
中学受験に関しては、通塾との併用が必須になります。
塾で学ぶ苦手分野の復習や克服に使用することをオススメします。
★適しているタイプ
・通塾小学生の復習や苦手克服向け
・小学校の学習内容だけでは満足できないお子さん
スマイルゼミ
スマイルゼミは、先ほど紹介している進研ゼミと同じようにタブレットを使用した学習スタイルです。
基本は学習の定着と苦手科目をつくらないスケジュールになります。
反復学習や学校の授業に合わせたながれなので、中学受験向きではありません。
基本的に学習習慣を身につけることを目的のお子さんにお勧めです。
★適しているタイプ
・学習の習慣化ができていない
・学校の授業レベルの理解が目標
すらら
すららは、学年という概念に縛られない方針です。
修得内容のレベルに合わせて学年を超えた授業内容を中心にしているので、
お子さんの学力相応の内容になります。
変わったスタイルですが、学習指導方法としての考え方は「理」にかなっていると思います。
中学受験を検討する場合は、通塾との併用がオススメになります。
★適しているタイプ
・中学受験の模試で思った結果に届かないお子さん
・弱点を理解して克服したいお子さん
【まとめ】
今回は、ネット塾をお子さんの性格や中学受験の有無などを考慮した選び方の説明をしました。
ネット塾は選び方次第で効果に大きな差が出ます。
中学受験は、高校受験や大学受験と違い親御さんのサポートがとても重要になります。
中学受験を検討している場合は、通塾との併用をオススメします。