中学受験を控える受験生や保護者の方は「SDGs」という言葉をご存じでしょうか?
世界規模で持続可能な目標ということで国連がかかげたものです。
今回は、SDGsの基本と中学校受験との関連を説明していきます。
この記事を読んでSDGsの基本と中学入試との関連制を理解してほしいと思います。
【SDGsの基本と私立中学校の取り組み!】
SDGsは、
「Sustainable Development Goals」の略で
国連が2030年に向けてかかげた世界合意の「持続可能な開発目標」のことです。
ここでは、SDGsの基本を中心に取り組みによる教育の変化などを説明していきます。
SDGsは、中学受験だけにかかわらず将来的に重要な目標になります。
SDGsと17のゴールとは?
SDGsは、2030年に向けて世界を変えるために17項目の目標を国連が掲げたものです。
2030年は、今の小学生が社会人になる時代なので今の子どもたちのためにも大切な目標になります。
「17のゴール」となっていますが、
「豊かさ」
「地球」
「平和」
「パートナーシップ」
の5項目のどれか1つ以上が関係していることが最大の特徴です。
更に17個の項目は、それぞれ複数の目標が存在するので合計で169個の目標達成に向けたプロジェクトになります。
以下に17項目の目標を簡単に記載しておきます。
SDGs「持続可能な開発目標」
1 貧困をなくそう
2 飢餓をゼロに
3 すべての人に健康と福祉を
4 質の高い教育をみんなに
5 ジェンダー平等を実現しよう
6 安全な水とトイレを世界中に
7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに
8 働きがいも経済成長も
9 産業と技術革新の基盤をつくろう
10 人や国の不平等をなくそう
11 住み続けられるまちづくりを
12 つくる責任つかう責任
13 気候変動に具体的な対策を
14 海の豊かさを守ろう
15 陸の豊かさも守ろう
16 平和と公正をすべての人に
17 パートナーシップで目標を達成しよう
機会があれば、個々の詳しい説明をしたいところですが今回は主な項目だけの掲載となります。
どの目標も当然のことでありながら実現は世界的な協力が必要な内容だと思います。
SDGsの取り組みで変わる学習の変化!
現在の世界状況を見ていると地球全体のレベルで考えると地球温暖化などの環境問題が申告な状態になっています。
人類という目線では貧富の差や差別という問題があります。
人が幸せな生活をできるようになるには、個人のレベルではなく世界的な取り組みが必要です。
そのためにも現在の子どもたちの教育意識の変化が重要なポイントになります。
これまでの教育の基本は、教育を受ける姿勢でした。
これからは、自分自身が主体的に考えて行動する必要があります。
この「どう考えるか」がポイントになります。
主体的にといっても自分の考えを主張して勝手な行動を取ることではありません。
あくまでも仲間との共有は重要ですし中学校だと部活動や委員会活動などがあてはまると思います。
大切なことは達成ではなく持続すること!
これまでの「受験」のイメージは、良い中学校や高校に入学して良い大学に合格することや良い大学を卒業して一流企業に就職することなどの「達成」が最終目標になっていました。
確かにレベルの高い中学高校で教育を受ければ、難関大学への合格率は高いと思います。
難関大学を卒業すれば一流企業に就職できる確率が高いのも事実です。
ただ、これからは難関大学への入学や一流企業への就職といった目標がゴールではなく、
継続して学ぶ事で知識や技術を目標のために活かすことを考えなくてはなりません。
SDGsへの取り組みはまさに目標達成だけが重要ではないことがわかる内容です。
今後の教育体制は、継続や持続といったスタイルが重要になることが予想できます。
【SDGsと私学の取り組み方と入試スタイルの関係】
SDGsの基本や今後の教育に関することを簡単に説明してきました。
当サイトは、あくまでも受験の情報や知識を中心に説明するサイトなので、ここからは主軸に入ります。
ここでは、SDGsと私学の取り組み方や入試スタイルについて説明をしていきます。
これから数年間は、私立中学校のSDGsへの取り組みが高まることが予想できます。
SDGsとユネスコスクール
私立中学校は、中高一貫校が多いので高校と合同でSDGsに取り組む傾向があります。
学校全体のプロジェクトとして取り組む学校や部活や委員会活動で取り組んでいます。
2002年に日本が国連総会で提案した2005年から2014年を国連持続可能な発展のための教育ということで取り組むことを決定しました。
この教育をESDと呼びユネスコが推進機関となりました。
ユネスコスクールと呼ばれる学校は、私立国公立を含め年々加盟校数が増加しています。
ESDは、SDGsの取り組みの中では「4 質の高い教育をみんなに」に該当する項目なのでユネスコスクールとは関係なくSDGsに取り組む私学中学校が多いのが現状です。
SDGsを意識した中学入試のスタイル!
中学校全体でSDGsを意識した教育方針になるということは、求める生徒の傾向にも変化がうまれる可能性も否定できません。
入試のスタイルにも特徴が出ている中学校も増加しています。
現在の中学入試は、国語・算数・理科・社会や英語や算数に特化した受験が主流になっています。
もちろん今後もこのスタイルの受験がなくなるとは思いません。
一方で、SDGsやESDを意識した入試をおこなっている私立中学校もあります。
国語や算数といった科目の垣根を取り除き知識よりも「考える」ことを重視した入試スタイルを採用しています。
高校・大学の教育とSDGsの関係!
SDGsを意識した教育や活動をおこなっているのは、中学校だけではありません。
並列高校はもちろん大学教育でも様々な方面でSDGsに関連した教育や研究に取り組んでいます。
国公立大学と私立大学では、
「生命」
「環境」
「生物」
「資源」
などのキーワードを持つ学部は積極的にそれぞれの分野とSDGsに関連した項目の研究と教育を採用しています。
今回は、詳しい説明はおこないませんが「農学部」「理工学部」などもSDGsに関わることが多くなると思います。
【中学入試とSDGsとの関係を科目別に考えよう!】
中学入試とSDGsの大まかな関連を中心に説明してきました。
最後は中学入試にもっとも関わる部分を説明したいと思います。
ここでは、科目ごとにどのようにSDGsが関連しているかを説明していきます。
直接関係がなくても問題文や解答手段にSDGsの知識や考え方が必要になる場合もあります。
国語で出題されるSDGsとの関係
国語は、SDGsへの取り組みに関連する問題文が多数あります。
17ある項目を複数含むこともありますので、多種多様なジャンルからの出題が予想できます。
単純に出題される問題を解くだけでなく、出題された問題文の出典本を実際に読みたくなるような受験生が多くなることが理想です。
また、国語の知識や考え方は、他の科目での出題に影響することがあります。
このときは「なぜそうなるのか」を考える力が必要になるはずです。
算数で出題されるSDGsとの関係
算数とSDGsはあまり関係性がないと思われがちですが、出題側も様々な工夫をしているケースがみられます。
特に扱われる内容が平等や公平などのテーマになります。
算数的に考えると単純に半分にすれば、数値的に均等です。
ところが食べ物などの場合は、人によって価値観が異なります。
価値観などの観点を出題に加えると問題としても興味深い内容の問題がつくれるようになります。
お互いにとって良い状態になれることを考えるのが出題の意図です。
社会で出題されるSDGsとの関係
社会は、最もSDGsに関連する問題が多くなる科目だと思います。
直接テーマに関する出題もありますが、中には受験生に考えさせる出題も少なくありません。
単純にSDGsの内容を知識として理解しているだけでなく、実際にどのようにすることが最善なのかを考える出題も予想されます。
特に環境問題や世界的な問題が出題項目に選ばれる傾向があると思います。
便利なものも使い方次第で環境汚染や戦争の原因になることも考えられるからです。
理科で出題されるSDGsとの関係
理科は、環境問題や生態系の変化などが考慮される問題がSDGsに関連する出題形式になると思います。
特に温暖化は、生態系や動植物に与える影響が大きいので当然の流れです。
理科の出題は、
「物理」
「化学」
「生物」
「地学」
のどの分野もSDGsの取り組みに関連する分野になります。
分野を超えた考察問題なども良問として出題されることが予想できます。
また、他の科目との複合問題という意味でも出題が予想されます。
日頃からSDGsに興味を持って情報を収集することが理想だと思います。
【まとめ】
今回は、SDGsと中学受験の関連制を中心に説明をしました。
この記事が直接中学入試の合否に関係するとは思いませんが必要な考え方になります。
特に中学受験をゴールとして考えてしまう受験生や親御さんがいるとしたら考えなおしてほしいと思います。
もちろん志望校に合格をすることは理想的なことです。
志望校に合格することが目的ではなく、あくまでもその後の行動が大切だと理解してほしいと思います。
これからの教育は到達型から持続型へ変化することを望みます。